神経向性ウイルスと脳性麻痺:住民ベースのケースコントロール研究
Neurotropic viruses and cerebral palsy: population based case-control study
CS. Gibson, AH. MacLennan, PN. Goldwater, EA. Haan, K. Priest, GA. Dekker; and South Australian Cerebral Palsy Research Group
Department of Obstetrics and Gynaecology, University of Adelaide, Women's and Children's Hospital, Adelaide, Australia.
BMJ 2006 Jan 14;332(7533):63-4
目的
脳性麻痺と周産期における神経向性ウイルス曝露との関連性を検討すること。
方法
住民ベースのケースコントロール研究をオーストラリアのAdelaide Women's and Children's Hospital研究センターにおいて実施した。1986年から1999年の間に南オーストラリアにおいて白人女性から生まれた脳性麻痺の白人新生児443ケースに対し、同期間の新生児検診カードを利用して対照群として白人新生児883例を選定し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いて、エンテロウイルスとヘルペスウイルスに由来するウイルス核酸の存在を検査した。ヘルペスウイルスA群として、単純ヘルペスウイルス1型と2型(HSV-1、HSV-2)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)を、またヘルペスウイルスB群として、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6型と7型(HHV-6、HHV-7)を含めた。
結果
対照群において神経向性ウイルス核酸の検出率は高かった。対照群では39.8%でウイルス核酸が陽性であった。その検出率は早産児で最も高かった。ヘルペスウイルスグループBのウイルス核酸の検出されたことが脳性麻痺の発症リスクを高めていた(オッズ比1.68、95%信頼区間1.09〜2.59)。
結論
神経向性ウイルスに周産期に曝露することは、早期産および脳性麻痺の発生と関連している。
コメント
本論文は、周産期にヘルペスBウイルスに感染すると脳性麻痺の発生リスクが高くなることを地域ベースの出生児調査により明らかにしたものである。難病といわれるものの原因は不明な状況にある。しかし、何らかのウイルス感染が関係していると考えられているものが多いようである。ウイルス感染となると予防対策の確立の可能性も出てくる。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 予防環境医学 高鳥毛 敏雄先生
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