多中心性キャッスルマン病のヒト化抗インターロイキン-6受容体抗体による治療
Humanized anti-interleukin-6 receptor antibody treatment of multicentric Castleman disease
N. Nishimoto, Y. Kanakura, K. Aozasa, T. Johkoh, M. Nakamura, S. Nakano, N. Nakano, Y. Ikeda, T. Sasaki, K. Nishioka, M. Hara, H. Taguchi, Y. Kimura, Y. Kato, H. Asaoku, S. Kumagai, F. Kodama, H. Nakahara, K. Hagihara, K. Yoshizaki, and T. Kishimoto
Health Care Center and Laboratory of Immune Regulation, Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University, Osaka; Japan
Blood, 2005 Oct 15; 106(8):2627-32
背景
キャッスルマン病(multicentric Castleman disease:MCD)は、全身のリンパ節腫大および長期にわたる炎症症状で特徴付けられる反応性のリンパ増殖性疾患である。腫大リンパ節からのインターロイキン-6の過剰産生がこの臨床的病態の原因である。
目的
MCD患者におけるヒト化インターロイキン-6(IL-6)受容体モノクローナル抗体(MRA,トシリズマブ)の安全性と有効性を検討した。
方法
MCD患者26例を対象とした多施設臨床研究における最初の60週の結果を報告する。初期の投与期間では、MRA 8mg/kgを2週ごとに8回、静脈内注入した。16週後の延長フェーズでは、各患者によって用量と投与間隔を調整した。
結果
MRA投与により、16週間内に一貫してリンパ節症が縮小し、CRP, SAA等すべての炎症性検査値が改善した。ヘモグロビン、アルブミン、総コレステロール値、高比重リポ蛋白コレステロール値およびBMIはすべて有意に上昇し改善した。さらに疲労の軽減もみられた。慢性炎症症状は60週間にわたりうまくコントロールされた。8例の患者(28.6%)においてMRAの用量を減少、または投与間隔を延長したが、症状の悪化はみられなかった。試験開始前に経口ステロイドを服用していた患者15例中の11例(73.3%)で、ステロイドの用量を減少することができた。大部分の有害事象は軽度〜中等度であった。
結論
MRAはMCD患者において良好な忍容性を示し、慢性炎症性症状および消耗性症状を有意に軽減した。
コメント
キャッスルマン病が腫大したリンパ節からの長期にわたるIL-6の産生異常であることが同グループにより明らかにされたことから、IL-6の作用を阻害するMRAによる治療研究が行われた。その結果著効が示され、初めてキャッスルマン病に対する有効で安全な治療法が確立された。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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