中胚葉性血管芽幹細胞(mesoangioblast stem cell)によるジストロフィー犬筋機能の改善
Mesoangioblast stem cells ameliorate muscle function in dystrophic dogs.
M. Sampaolesi, S. Blot, G. D'Antona, N. Granger, R. Tonlorenzi, A. Innocenzi, P. Mognol, J. L. Thibaud, B. G. Galvez, I. Barthelemy, L. Perani, S. Mantero, M. Guttinger, O. Pansarasa, C. Rinaldi, M. G. Cusella De Angelis, Y. Torrente, C. Bordignon, R. Bottinelli, G. Cossu
San Raffaele Scientific Institute, Universita Vita e Salute, Stem Cell Research Institute, Milan, Italy.
Nature. 2006 Nov 30;444(7119):574-9. Epub 2006 Nov 15
背景
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは現在も治療法のない遺伝性疾患であり、罹患児の運動および平均余命を大きく制限している。ジストロフィン遺伝子の変化と全範囲のヒト病変を再現する唯一の動物モデルはゴールデンレトリーバー犬モデルである。罹患動物にはイントロン6に単一突然変異があり、その結果ジストロフィン蛋白の完全欠損、早期の重大な筋変性をきたし、運動および歩行能がほぼ完全に失われる。通常、約1歳で呼吸筋機能不全のため死亡する。
目的
筋ジストロフィーに対する細胞療法または遺伝子療法の有効性の検討。
方法
ゴールデンレトリーバージストロフィー(GRMD)モデルを用い、免疫抑制法下で自己および野生型の中胚葉性血管芽幹細胞(血管関連幹細胞)を動脈内投与した。
結果
中胚葉性血管芽幹細胞の投与により、ジストロフィン発現の大幅な回復、筋形態および筋機能の正常化(単一線維における収縮力測定により確認)、および顕著な臨床的改善と運動能の保持が認められた。
結論
中胚葉性血管芽幹細胞を用いた細胞移植療法は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に対する画期的な治療法であることが示唆された。
コメント
難治性の遺伝性疾患に対する細胞移植療法として有望であり、画期的治療法になることが示唆され、本疾患患者に希望を与えるものである。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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