体型指数とパーキンソン病発症リスク
Body mass index and the risk of Parkinson disease
G. Hu, P. Jousilahti, A. Nissinen, R. Antikainen, M. Kivipelto, and J. Tuomilehto
Department of Epidemiology and Health Promotion, National Public Health Institute, Helsinki, Finland.
Neurology. 2006 Dec 12;67(11):1955-9
目的
体型指数(BMI)とパーキンソン病(PD)発症リスクの関係について検討した。
方法
ベースラインにおいてPD歴のないフィンランド人の男性22,367例と女性23,439例(25〜59歳)を調査コホートとした。さまざまなレベルのBMIに対するPD発症率のハザード比(HR)を求めた。
結果
平均経過観察期間は18.8年で、この間に男性272例、女性254例がPDを発症した。交絡因子(年齢、調査年、収縮期血圧、総コレステロール、教育水準、余暇身体活動、喫煙、およびアルコール、コーヒー、茶の摂取量)調整後のさまざまなレベルのBMI(<23、23〜24.9、25〜26.9、27〜29.9、および≧30kg/m2)に対するPD発症率のハザード比は、男性ではそれぞれ1.00、1.97(95%CI 1.21〜3.22)、1.83(95%CI 1.12〜2.99)、2.34(95%CI 1.45〜3.78)、2.44(95%CI 1.44〜4.15)、女性では1.00、1.50(95%CI 0.95〜2.37)、1.65(95%CI 1.05〜2.59)、1.79(95%CI 1.15〜2.80)、1.77(95%CI 1.12〜2.78)、男女総合(性別でも調整)では1.00、1.70(95%CI 1.23〜2.37)、1.70(95%CI 1.23〜2.37)、2.02(95%CI 1.46〜2.79)、2.03(95%CI 1.44〜2.85)であった。男女を総合した場合、BMIとPD発症リスクとの間の多変量調整後の直接的相関性は、25〜49歳と50〜59歳の両群、非喫煙者群と喫煙者群、およびPD診断時年齢が65歳前と後の両群において認められた。
結論
BMIはPD発症リスクと関連がある。影響は段階的で、他の危険因子から独立している。
コメント
パーキンソン病と危険因子としての肥満との関連については一致した見解はないのが現状であるが、これはBMIが23以上と定義した場合の体重過多が段階的にパーキンソン病の独立した危険因子であるという報告である。肥満では一般的にドーパミンD2受容体の感受性が低下しており、それを補うためにドーパミンが過多状態であると言われている。そのため、臨床的には食欲亢進による肥満の増長が起こり、病態的にはドーパミン関連過酸化物ストレスの増加によるドーパミン神経細胞死が引き起こされ、パーキンソン病発症につながる。本報告は、この一連の仮説を支持するものである。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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