ミエリン特異的調節性T細胞はCNSに集積するが、自己免疫性炎症のコントロールはできない
Myelin-specific regulatory T cells accumulate in the CNS but fail to control autoimmune inflammation.
T. Korn, J. Reddy, W. Gao, E. Bettelli, A. Awasthi, T. R. Petersen, B. T. Backstrom, R. A. Sobel, K. W. Wucherpfennig, T. B. Strom, M. Oukka, V. K. Kuchroo
Center for Neurologic Diseases, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts, USA.
Nauret Medicine. 2007 Apr;13(4):423-31. Epub 2007 Mar 25.
背景
体外法で作成された調節性T細胞(T-reg)を用いる治療法は、自己免疫疾患に対して魅力的な治療法とみなされている。しかしながら、自己免疫におけるT-regの行動と機能は不明な点が多い。
方法
多発性硬化症の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスでの自己抗体特異的エフェクターT細胞(T-eff)およびT-regを探知するため、Foxp3gfpノックイン(Foxp3gfp.KI)マウス、およびミエリン糖蛋白質(MOG35-55/IAb))(MHCクラスII抗原)四量体を作成した。
結果
MOG四量体に特異反応性のFoxp3+ T-regは末梢リンパ節組織で増幅し、直ちに中枢神経系(CNS)に集積するが、疾患の発症を予防しなかった。CNSから単離されたFoxp3+ T細胞はMOG特異的T細胞の抑制に有効であったが、インターロイキン(IL)-6および腫瘍壊死因子(TNF-α)を分泌するCNS由来の脳炎誘発性T-effのコントロールはできなかった。
結論
我々のデータは、CD4+Foxp3+ T-regによって標的臓器での自己免疫反応を効果的にコントロールするが、自己免疫疾患の治療を行うためにはそれでは不十分で、組織炎症のコントロールも必要なことを示唆している。
コメント
調節性T細胞(Treg)は自己免疫疾患を抑制すると考えられている。したがって、多くの研究者は自己抗原特異Tregを増加させて自己免疫疾患の治療を行おうとしている。しかしながら、自己反応性を抑制するだけでは自己免疫疾患を治療することはできず、炎症も抑制しなければコントロールできないことを示しており、単純には行かないことを警告している。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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