Claudin-1はC型肝炎ウイルスの細胞侵入後期に必要なコレセプターである
Claudin-1 is a hepatitis C virus co-receptor required for a late step in entry
M J. Evans, T. von Hahn, D. M. Tscherne, A. J. Syder, M. Panis, B. Wolk, T. Hatziioannou, J. A. McKeating, P. D. Bieniasz, C. M. Rice
Center for the Study of Hepatitis C, The Rockefeller University, New York, USA
Nature. 2007 Apr 12;446(7137):801-5
背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は世界的に肝硬変および肝癌の主要原因である。宿主細胞への侵入機序を含むウイルスのライフサイクルへの理解を深めることは、新規治療ターゲットの同定に必要である。HCVの侵入にはCD81コレセプターが必要であり、その他の宿主分子が関連するとされているが、この過程に不可欠な少なくとも1つの因子が依然として不明のままである。
方法
ヒト肝癌細胞株Huh-7.5由来のcDNAライブラリーを用いて反復発現クローニング法を行った。
結果
肝臓での発現が高く、タイトジャンクションの構成蛋白質であるClaudin-1(CLDN1)がHCVの細胞侵入に不可欠で、ヒト肝癌細胞株へのHCV感染に必要であることが明らかになった。また、本分子の肝細胞以外の細胞における異所発現時にHCV感受性をもたらすことが示された最初の因子である。HCVの侵入に、CLDN-1分子の第一細胞外ループ(EL-1)内のいくつかの残基は不可欠であるが、細胞内ドメインの蛋白質相互作用モチーフは不可欠でない。さらに、CLDN-1 EL-1に挿入されたペプチドエピトープに対する抗体はHCV感染を阻害した。この阻害の動態解析から、CLDN-1はウイルスのHCVコレセプターCD81への結合および相互作用後の細胞侵入過程の後期に作用することが示された。
結論
本研究において、HCVの宿主細胞の侵入に不可欠な新規因子であるCLDN1が同定された。CLDN-1は今後抗ウイルス薬開発の新たなターゲットになると考えられる。
コメント
C型肝炎ウイルスは慢性肝炎を引き起こすばかりでなく、肝硬変や肝癌発症の原因ウイルスで、その発症抑制は世界的に求められている。今回、ウイルスの肝細胞への侵入機序の一部が明らかとなったことから、ウイルス侵入阻害に基づく予防や治療への開発が期待される。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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