Semaphorin 7AはTGF-β1誘導肺線維症で重要な役割を果たす
Semaphorin 7A plays a critical role in TGF-β1-induced pulmonary fibrosis
Kang HR, Lee CG, Homer RJ, Elias JA.
Section of Pulmonary and Critical Care Medicine and 2Department of Pathology, Yale University School of Medicine, New Haven, CT 06519.
J Exp Med. 2007 May 14;204(5):1083-93. Epub 2007 May 7
目的
Semaphorin(SEMA)7Aは神経機能および免疫機能を調整している。これらの研究において、われわれはSEMA 7Aが組織リモデリングの重要な調整物質でもあるという仮説の検証を行った。
結果
これらの研究は、SEMA 7Aおよびその受容体であるplexin C1とβ1 integrinが、マウス肺において形質転換成長因子(TGF)-β1により活性化されることを示している。また、SEMA 7Aが、TGF-β1誘導線維症、筋線維芽細胞過形成、肺胞リモデリングおよびアポトーシスにおいて重要な役割を果たしていることも示している。TGF-β1は主にSmad 3非依存性メカニズムを介してSEMA 7Aを活性化し、Smad 2/3非依存性およびSEMA 7A依存性メカニズムを介してSEMA 7A受容体、マトリックス蛋白質、CCN蛋白質、線維芽細胞成長因子2、インターロイキン13受容体成分、プロテアーゼ、抗プロテアーゼ、およびアポトーシス調整因子を活性化した。SEMA 7Aはまた、ブレオマイシン誘導肺線維症の発症に大きな役割を果たしていた。TGF-β1およびブレオマイシンはまた、SEMA 7A依存性メカニズムを介してphosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)およびprotein kinase B(PKB)/AKTを活性化し、PKB/AKTの抑制はTGF-β1誘導線維症を軽減させた。
結論
これらの観察結果は、SEMA 7Aとその受容体はTGF-β1によって誘導され、SEMA 7AはTGF-β1誘導線維症およびリモデリングに関与するPI3K/PKB/AKT依存性経路において中心的役割を果たしていることを示している。SEMA 7Aの作用がTGF-β1トランスジェニックマウスに対して特異的ではないことも示され、これらの所見はその他の線維化刺激因子にとって重要であることを強調している。
コメント
特発性、または慢性炎症に伴う肺線維症は、慢性的に呼吸困難をきたし、在宅酸素療法を強いられることもある難治性疾患である。現在、発症予防はおろか、増悪を阻止することはできない。発症機序は不明な点が多く、有効な治療法の開発が切望されている。本研究はSEMA 7Aおよびその受容体の活性化が線維症発症に関与することを示し、将来治療への有用な知見と思われる。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
PudMed: