ヒトロイコトリエンC4合成酵素による炎症性メディエーター合成の構造的基盤
Structural basis for synthesis of inflammatory mediators by human leukotriene C4 synthase.
Molina DM, Wetterholm A, Kohl A, McCarthy AA, Niegowski D, Ohlson E, Hammarberg T, Eshaghi S, Haeggström JZ, Nordlund P.
Division of Biophysics, Stockholm University, Stockholm, Sweden.
Nature. 2007 Aug 2;448(7153):613-6.
背景
システイニルロイコトリエンは、心血管系および呼吸器系の急性および慢性炎症性疾患、特に気管支喘息において重要な役割を担っている炎症メディエーターである。システイニルロイコトリエンの生合成過程において、アラキドン酸が変換されて不安定なエポキシドであるロイコトリエンA4(LTA4)が生成される。この中間体はグルタチオン(GSH)と結合し、ロイコトリエンC4(LTC4)合成酵素による触媒作用下でLTC4を生成する。この反応はシステイニルロイコトリエン形成における重要なステップである。
結果・結論
本稿に、アポ型およびGSH結合型ヒトLTC4合成酵素の結晶構造をそれぞれ2.00および2.15Åの解像度で示す。構造はホモ3量体であることが明らかになり、各単量体は4つの膜貫通セグメントから成っている。基質と複合した酵素の構造は、活性部位がGSHの馬蹄形構造を呈し、膜と酵素の接合部での近傍のアルギニンによる活性化に対し、チオール基が効果的に配置されていることを示している。さらに、この構造は、グルタチオンのチオール基に反応性エポキシドを配列するための分子定規となる疎水性裂溝の一端に、いかに脂溶性共基質のオメガ末端が留められているかのモデルを提示している。これは、LTC4生成機序の新たな構造的洞察を提供し、また観察された結合とGSHの活性化は、炎症および解毒反応に対して重要な同族蛋白質ファミリーに共通したものである可能性を示唆している。
監訳:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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