韓国の関節リウマチ(RA)罹患者における結核罹患率:RA罹病自体および腫瘍壊死因子阻害薬投与の影響
Incidence of Tuberculosis in Korean Patients with Rheumatoid Arthritis (RA): Effects of RA Itself and of Tumor Necrosis Factor Blockers.
Seong SS, Choi CB, Woo JH, Bae KW, Joung CL, Uhm WS, Kim TH, Jun JB, Yoo DH, Lee JT, Bae SC
Department of Internal Medicine, Division of Rheumatology and the Hospital for Rheumatic Diseases, Hanyang University, Seoul, Korea.
Journal of Rheumatology 2007 Apr;34(4):706-711.
目的
韓国の関節リウマチ(RA)罹患者および腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬投与RA患者における結核(TB)罹患率および相対リスク比を明らかにすること。
方法
単一施設におけるRA患者について、TNF阻害薬に非投与RA患者1,285例、またインフリキシマブおよびエタネルセプト投与RA患者それぞれ90例および103例の診療録を調査し、2001〜2005年の大韓結核予防会(Korean National Tuberculosis Association:KNTA)のデータを用いて一般住民の結核発病率をもとに、RA患者の発病率、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬投与RA患者における結核発病リスクの評価を行った。
結果
KNTAにおける2001〜2004年の一般住民のTB罹患率は100,000人・年あたり67.2であった。TNF阻害薬未使用RA患者群では、3,497人・年あたり9例がTBを発症していた(100,000人・年あたり257例)。インフリキシマブ投与RA患者群では78.17人・年で2例がTBを発症し(100,000人・年あたり2558例)、エタネルセプト投与RA患者群では73.67人・年でTB発症例は認められなかった。TNF阻害薬未投与RA患者のTB発症リスクは、韓国の一般住民よりも高かった(性別および年齢で調整したリスク比 8.9、95%信頼区間 4.6〜17.2)。また、インフリキシマブ投与RA患者のTB発症リスクは、韓国の一般住民よりも高かった(性別および年齢で調整したリスク比 30.1、95%信頼区間 7.4〜122.3)。
結論
韓国において、RA患者のTB感染リスクは一般住民と比較して8.9倍高かった。さらに、インフリキシマブ投与RA患者では30.1倍高かった。
コメント
今回の研究は、RA患者の結核罹患率も一般の人と比べて高いことを示すものである。また、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬投与により罹患率が著しく高くなることを示したものである。この背景には、結核の潜在感染者が多いことが関係していると思われる。わが国においては、高齢者に潜在結核感染者が多いことから、RA患者の治療にあたっては結核発病に対して十分な留意が求められる。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 予防環境医学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: