関節リウマチ患者における高血圧の有病率、関連要因および管理状況
Prevalence and associations of hypertension and its control in patients with rheumatoid arthritis
V. F. Panoulas, K. M. J. Douglas, H. J. Milionis, A. Stavropoulos-Kalinglou1, P. Nightingale, M. D. Kita, A. L. Tselios, G. S. Metsios1, M. S. Elisaf and G. D. Kitas
Department of Rheumatology, Dudley Group of Hospitals NHS Trust, Russells Hall Hospital, Dudley, West Midlands, UK
Rheumatology 2007 Sep;46(9):1477–82
目的
関節リウマチ(RA)は心血管系の罹患率および死亡率との間に密接な関連がみられる。高血圧は心血管疾患(CVD)の発症に有意に寄与している要因である。RA患者の血圧に影響を及ぼす因子については不明である。本研究では、RA患者の医療コホートにおける高血圧の有病率を評価して、その関連要因、および高血圧管理に関連する要因を明らかとすることを目的とした。
方法
RAの継続受診者400例を研究対象とした。高血圧は、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、あるいは降圧薬を服用中であることと定義した。高血圧と数種類の人口統計学的およびRA関連因子、併存疾患および薬剤の服用との関連については、ロジスティック回帰分析を用いて評価した。
結果
患者282例(70.5%)に高血圧が認められた。そのうち、171例(60.6%)が降圧療法を受けていたが、111例(39.4%)は依然として診断を受けていなかった。治療を受けている患者のうち、最適にコントロールされていたのは171例中37例(21.8%)のみであった。多変量ロジスティック回帰分析により、年齢(OR 1.054、CI 1.02〜1.07、P=0.001)、BMI(OR 1.06、CI 1.003〜1.121、P=0.038)、およびプレドニゾロンの服用(OR 2.39、CI 1.02〜5.6、P=0.045)と、高血圧の存在が各々独立して関連していることが明らかになった。未治療の高血圧の存在は、BMI(OR 1.11、CI 1.02〜1.21、P=0.002)、CVDの存在(OR 4.01、CI 1.27〜12.69、P=0.018)との間に有意な関連が認められた。
結論
RA患者において高血圧の有病率が高く、若いRA患者においては過小診断の状況にあった。CVDを合併している高齢RA患者で、高血圧の特に治療が不十分である者が目立った。ステロイドを服用しているRA患者には、特に高血圧のスクリーニングを行うべきであり、高血圧である者については治療の対象とすべきである。特に心血管系の併存疾患を有するRA患者については、積極的なモニタリングおよび治療戦略が必要である。
コメント
今日、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防と管理は国民的な健康課題となっている。本論文は、RAを有する者においては、高血圧の有病率が高く、健診や高血圧の管理が重要であることを示すものであった。RA患者はすでにかかりつけの医師を有する者が多いと思われる。RA患者もかかりつけ医師も、血圧の管理について十分に行われているのかを確認していただければと思う。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 予防環境医学 高鳥毛 敏雄先生
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