シクロホスファミド抵抗性の増殖性ループス腎炎患者に対するリツキシマブ投与の病理組織学的効果および臨床効果
Histopathologic and clinical outcome of rituximab treatment in patients with cyclophosphamide-resistant proliferative lupus nephritis
Gunnarsson I, Sundelin B, Jónsdóttir T, Jacobson SH, Henriksson EW, van Vollenhoven RF.
Department of Rheumatology, Karolinska University Hospital at Solna, Stockholm, Sweden.
Arthritis & Rheumatism. 2007 Apr;56(4):1263-72
目的
リツキシマブはB細胞マーカーCD20に対するモノクローナル抗体である。そのBリンパ球除去能により、本剤が全身性エリテマトーデス(SLE)を含めたB細胞依存性疾患に対する効果を有する可能性が示唆されてきた。本研究の目的は、シクロホスファミド(CYC)抵抗性の増殖性ループス腎炎患者に対する、リツキシマブ+CYC併用投与の病理組織学的効果および臨床効果について検討することであった。
方法
増殖性ループス腎炎を有する7例の女性患者に対し、リツキシマブとCYCを併用投与した。投与前および経過観察時に腎生検を実施した。SLEの活動性は、SLE疾患活動性指数(Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index:SLEDAI)およびBritish Isles Lupus Assessment Groupの指標によって評価した。7例中6例について、投与前および経過観察時に腎組織中のリンパ球サブセットに対する免疫染色を行った。
結果
6ヵ月目の観察時に有意な臨床的改善が認められ、SLEDAIスコア(平均値で15から3へ)、抗2本鎖DNA抗体レベル(平均値で174 IU/mLから56 IU/mLへ)、および抗C1q抗体レベル(平均値で35単位/mLから22単位/mLへ)の減少がみられた。腎生検の再検査では、ほとんどの患者に腎炎の病理組織学的分類の改善がみられ、また腎機能指標の低下(6から3へ)が認められた。再生検にて、患者の50%に腎臓の間質内でCD3、CD4、およびCD20細胞数の減少が認められた。
結論
6ヵ月目の観察時に、全症例が併用療法に対して臨床的および病理組織学的な反応を示した。CYCを含めた従来の免疫抑制療法に抵抗性の増殖性ループス腎炎患者に対して、リツキシマブとCYCの併用は新たな治療選択肢となる可能性がある。
コメント
ステロイドまたはシクロホスファミド(CYC)に抵抗性のSLE治療は困難であったが、リツキシマブとCYC併用にて、全身症状、抗DNA抗体および補体のみならず腎障害にまで有効であることが、腎組織検査で確認されたことは評価される。とくに、B細胞のみならずT細胞の浸潤も抑制されていることは注目に値し、自己反応性免疫ならびに炎症も抑制されていることを示唆している。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 身体防御健康医学 吉崎 和幸先生
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