TNF阻害薬に対し反応不十分な関節リウマチ患者においてはB細胞除去の方が代替のTNF阻害薬への切替えよりも有効性が高くなりうる
B cell depletion may be more effective than switching to an alternative anti-tumor necrosis factor agent in rheumatoid arthritis patients with inadequate response to anti-tumor necrosis factor agents
Finckh A, Ciurea A, Brulhart L, Kyburz D, Möller B, Dehler S, Revaz S, Dudler J, Gabay C; Physicians of the Swiss Clinical Quality Management Program for Rheumatoid Arthritis
University Hospital of Geneva, Geneva, Switzerland
Arthritis Rheumatism 2007 May;56(5):1417-23
目的
抗腫瘍壊死因子(抗TNF)療法に対する反応が不十分な関節リウマチ(RA)患者には、代替のTNF阻害薬への切替えや、リツキシマブ(RTX)を用いたB細胞除去療法の開始などの幾つかの治療選択肢がある。臨床試験ではいずれの治療選択肢も有効性が認められているが、両者の直接比較は行われていない。本研究の目的は、抗TNF療法に対する反応が不十分なRA患者の管理において、RTXの有効性と代替のTNF阻害薬の有効性を比較することである。
方法
この前向きコホート研究はSwiss Clinical Quality ManagementのRAコホートを対象としたものであり、1種類以上のTNF阻害薬に対して反応が不十分でありその後1サイクルのRTXまたは代替のTNF阻害薬の投与を受けたすべての患者を対象とした。主要転帰はRAの疾患活動性の進行(28関節による疾患活動性スコア[DAS28]に基づく評価)とし、経時的データに対する多変量回帰モデルを用いて解析した。
結果
対象となったRA患者は116例であり、うち50例が1サイクルのRTX投与を受け、66例が第2または第3の代替のTNF阻害薬の投与を受けていた。ベースラインにおいて、両群の年齢、性別、罹病期間、および疾患の活動性には有意差は認められなかった。DAS28に基づく進行においては、RTX投与群の方が代替のTNF阻害薬投与群よりも優れていた(P=0.01)。6カ月目におけるDAS28の減少の平均値は、RTX投与群では−1.61(95%信頼区間[95%CI]−1.97〜−1.25)、引き続き抗TNF療法を受けた群では−0.98(95%CI −1.33〜−0.62)であった。
結論
この観察研究の結果から、抗TNF療法を行っても活動性が持続したRA患者においては、RTX投与の方が代替のTNF阻害薬への切替えよりも有効性が高い可能性があることが示唆された。
コメント
TNFα阻害治療で無効または効果減弱患者は20〜30%といわれ、次のステップへの治療切り換えに難渋している。本論文は次のステップへの可能性を示し、無効例にとっての恩恵を示している。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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