非医師および医師のパーキンソン病に関する知識の状況およびケアの選好性
Nonphysicians’ and Physicians’ Knowledge and Care Preferences for Parkinson’s disease
Kari Swarztrauber, MD, MPH, and Eric Graf
Specialty Services, Providence Medical Group, Newberg, Oregon
Movement Disorders. 2007 Apr 15;22(5):704-7
パーキンソン病(PD)の薬物療法に関する知識の状況、および専門医にPD患者を紹介することの選好について、非医師の医療提供者と医師について比較した。2003年に、Pacific Northwest Veterans Health Administrationの老年病科、神経科、精神保健科およびプライマリケア医師、ナースプラクティショナーおよび医師助手の全員(503人)に調査票を送付した。調査票には、推奨されるPDの薬物療法の実践に関する質問や、2例の臨床シナリオと、さらに患者紹介の選好に関する質問などを記載した。回答率は全体で74%であった。PDの薬物療法に関する質問のうち、推奨療法を回答した割合は非医師の医療者では46%、医師では50%であった(P=0.14)。薬物療法管理のためにPD患者を専門医に紹介することの選好について非医師の医療提供者と医師の間に差は認められなかった。ただし、非医師の医療提供者は患者を診断確定のために専門医に紹介する傾向がより高かった(オッズ比3.03、95%信頼区間1.67〜5.51)。患者ケアにおいて非医師の医療提供者の自律性が拡大してきている状況を考えると、非医師の医療提供者がPDの薬物療法について医師と同等の知識を有していることは心強いことである。非医師の医療提供者を医師の代役と位置づける政策を進めることにより、診断確定のための専門医への紹介が増加していくものと考えられる。
コメント
患者のための医療サービスの質や量を考えていく時に、医師だけをゲートキーパーとするシステムは難しい状況になってきている。わが国では医師を中心とする制度が維持されているが、欧米では看護職など他のコメディカル職の専門性を強化して医療サービスのシステムを作り替えてきている状況にある。本論文もその流れの中にあるものと思われる。ただし、低医療政策や医療ビジネス化が背景にある危険性も考えておく必要がある。しかし、患者に対する適切な医療につながるのであれば、わが国においても検討していく必要があるのかも知れない。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 健康政策学 高鳥毛 敏雄先生
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