関節リウマチに対するIL-6阻害薬単剤療法の実薬対照試験(SAMURAI試験):トシリズマブのX線読影者盲検無作為比較試験で得られた臨床的有益性とX線画像上の有益性を示すエビデンス
Study of active controlled monotherapy used for rheumatoid arthritis, an IL-6 inhibitor (SAMURAI): evidence of clinical and radiographic benefit from an x ray reader-blinded randomised controlled trial of tocilizumab
Nishimoto N, Hashimoto J, Miyasaka N, Yamamoto K, Kawai S, Takeuchi T, Murata N, van der Heijde D, Kishimoto T.
Laboratory of Immune Regulation, Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University 1-3, Yamada-oka, Suita, Osaka, 565-0871, Japan. norihiro@fbs.osaka-u.ac.jp
Ann Rheum Dis. 2007 Sep;66(9):1162-7.
目的
トシリズマブ(ヒト化抗ヒトIL-6レセプター抗体)単剤療法が、関節リウマチ(RA)患者の関節破壊の進行を抑制する能力について評価すること。
方法
多施設共同X線読影者盲検無作為比較試験において、罹患期間5年未満の活動性RA患者306例を、52週間にわたりトシリズマブ8 mg/kgを4週ごとに静脈内投与する単剤療法群、または従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)治療群に割り付けた。手および前足部のX線写真を、Sharp法のvan der Heijdeによる変法によってスコア評価した。
結果
患者の平均罹患期間は2.3年であり、ベースラインにおける28関節による疾患活動性スコアは6.5であった。修正総Sharpスコア(TSS)の平均値は29.4であり、罹患期間が比較的短いにも関わらずきわめて高かった。TSSでみた52週目におけるX線画像の変化は、トシリズマブ群(平均2.3、95%CI 1.5〜3.2)の方がDMARD群(平均6.1、95%CI 4.2〜8.0)よりも統計学的に有意に少なかった(P<0.01)。トシリズマブ単剤療法では徴候および症状の改善もみられた。有害事象(AE)の総発現率は、トシリズマブ群およびDMARD群でそれぞれ89%および82%(重篤なAE:18%および13%、重篤な感染症:7.6%および4.1%)であった。
結論
RA患者に対するトシリズマブ単剤療法は概して忍容性が良好であり、関節破壊の進行を抑制し、X線画像上の有益性をもたらした。
コメント
関節リウマチの治療は従来関節痛や関節腫脹を軽減することが目標であったが、TNF-α阻害薬など生物製剤の出現により、治療目標が寛解導入あるいは関節破壊の予防もしくは進行抑制へと変化しつつある。アクテムラによるIL-6阻害も、関節破壊の進行を抑制する可能性が本研究によって認められ、きわめて有意義である。特にメトトレキサートの投与なく認められたことは、本治療法が有益であることを示唆している。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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