エタネルセプトとメトトレキサートの併用による関節リウマチ患者の寛解とX線上の進行の持続的な停止
Disease remission and sustained halting of radiographic progression with combination etanercept and methotrexate in patients with rheumatoid arthritis
van der Heijde D, Klareskog L, Landewé R, Bruyn GA, Cantagrel A, Durez P, Herrero-Beaumont G, Molad Y, Codreanu C, Valentini G, Zahora R, Pedersen R, MacPeek D, Wajdula J, Fatenejad S.
Department of Rheumatology, Leiden University Medical Center, Leiden, The Netherlands.
Arthritis and Rheumatism 2007 Dec;56(12):3928-39
目的
TEMPO(Trial of Etanercept and Methotrexate with Radiographic Patient Outcomes)試験は、活動性関節リウマチ(RA)患者に対するエタネルセプト、メトトレキサート、およびエタネルセプトとメトトレキサートの併用の有効性と安全性を評価する3年間の二重盲検多施設共同試験である。この試験の1年目および2年目の結果はこれまでに報告されている。今回、エタネルセプト、メトトレキサート、および両剤の併用によるRA患者の3年目の臨床転帰とX線上の転帰ならびに安全性について報告する。
方法
無作為化二重盲検多施設共同試験であるこのTEMPO試験では、患者682例に対してエタネルセプト25 mg週2回投与、メトトレキサート20 mg以下週1回投与、または両剤の併用が行われた。主要有効性評価項目は、疾患活動性スコア(DAS)および28関節に基づくDAS評価などであった。
結果
併用療法ではどちらの単剤療法と比較しても、DASに有意に大きな改善が得られ、またより多くの患者で寛解が得られた。この結果は時系列解析によって確認され、併用療法群ではどちらの単剤療法群よりも疾患が寛解する確率が2倍以上高くなった。寛解の独立予測因子は、男性、疾患活動性の低さ、関節破壊の程度の低さ、および/または良好な身体機能などであった。併用療法とエタネルセプト療法では、共にメトトレキサートの場合に比べ、X線上の進行が有意に少なかった(P<0.05)。エタネルセプト投与および併用投与の忍容性は良好であり、安全性に関する新たな所見は認められなかった。
結論
エタネルセプトとメトトレキサートの併用では、脱落例を補正した場合でも、3年間にわたり効果が持続し、いずれかの単独療法よりも高い効果が維持された。3年間の併用療法により、RA患者の治療の2つの主目標、すなわち疾患の寛解とX線上の進行の阻止が達成された。
コメント
可溶性TNF-αの受容体とFe結合させたエタネルセプトは、抗体製剤のレミケードとは異なるTNF-α阻害生物製剤である。この度のTEMPO試験により、X線解析による関節破壊の進行が抑制され、メトトレキサートとの併用によりさらに有効性が認められた。このことは関節リウマチの治療目標を大きく変革させた。従来は症状の改善を目標としていたが、関節破壊の進行抑制を目標にすることができ、重要な所見と思われる。ただし、メトトレキサートを必要とするところに対しては改善の余地があると思われる。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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