頭部外傷の受療後のパーキンソン病の有病リスク:地域ベースの症例対照研究から
Risk of Parkinson’s disease after hospital contact for head injury: population based case-control study
Rugbjerg K, Ritz B, Korbo L, Martinussen N, Olsen JH.
Institute of Cancer Epidemiology, Danish Cancer Society, 49 Strandboulevarden, DK-2100, Copenhagen, Denmark
BMJ 2008 Dec 15;337:a2494. doi:10.1136/bmj.a2494
目的
頭部外傷のための受療後のパーキンソン病の有病リスクについて検討する。
デザイン
地域ベースの症例対照研究に基づく
調査対象
デンマーク
分析対象
1986〜2006年のデンマーク国立病院疾病登録記録(Danish national hospital register)において、ケース(症例)群をパーキンソン病と初回診断されていた患者13,695例とし、各ケース群にデンマーク居住者で患者の診断日に生存していた人の中から5名ずつ年齢および性別でマッチさせて無作為抽出した者をコントロール(対照)群とした。対照群の人数は68,445名である。
主要評価指標
病院登録記録の中から頭部外傷の記録が確認された受療者。両群の頭部外傷歴の頻度。
結果
分析した症例群と対照群で初回診断登録前に頭部外傷のために受療していた者の割合は、症例群(パーキンソン病患者)では対照群と比べて50%高かった(オッズ比[OR]1.5、95%信頼区間[CI]1.4〜1.7)。しかし、ほぼすべての頭部外傷の受療は、パーキンソン病の初回診断前の3カ月以内のものであった(OR 8.0、95%CI 5.6〜11.6)。10年以上前の外傷の受療歴については、症例群と対照群との間で有意な差は認められなかった(OR 1.1、95%CI 0.9〜1.3)。
結論
パーキンソン病の初回診断日の数カ月前以内に頭部外傷のため来院していた者の頻度が急増していたことは、頭部外傷がパーキンソン病の原因となっていることを示しているのではなく、パーキンソン病の運動障害が発現していた結果であると考えられる。
コメント
パーキンソン病患者では診断前に頭部外傷歴を有する者が多かった。これはパーキンソン病を発症していたためであることを示す研究であった。高齢者では若い人と比べて一般的に症状の訴えが乏しい者が多い。転倒・転落などの外傷者に対しては、これがパーキンソン病の予兆ではないかと考えた対応が必要であることを示している。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 健康政策学 高鳥毛 敏雄先生
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