関節リウマチにおける関節構造の損傷、骨密度、骨代謝回転に対するdenosumab投与の効果:12カ月間の第II相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験
Denosumab treatment effects on structural damage, bone mineral density, and bone turnover in rheumatoid arthritis: a twelve-month, multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, phase II clinical trial
Cohen SB, Dore RK, Lane NE, Ory PA, Peterfy CG, Sharp JT, van der Heijde D, Zhou L, Tsuji W, Newmark R; Denosumab Rheumatoid Arthritis Study Group.
Metroplex Clinical Research Center, Dallas, Texas 75235, USA.
Arthritis Rheumatism 2008 May;58(5):1299-309
目的
RANKLは破骨細胞の発達、活性化、生存に必須である。denosumabはRANKLに結合してその活性を阻害する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体である。この第II相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の目的は、メトトレキサート治療を受けている関節リウマチ(RA)患者の関節構造の損傷に対するdenosumabの効果について評価することであった。
方法
RA患者に対し、12カ月間にわたり6カ月ごとにプラセボ(n=75)、denosumab 60 mg(n=71)、またはdenosumab 180 mg(n=72)の皮下注射を行った。主要評価項目は、6カ月後におけるMRIに基づくびらんスコアのベースラインからの変化量とした。
結果
6カ月後におけるMRIに基づくびらんスコアのベースラインからの上昇は、denosumab 60 mg群(平均変化量0.13、P=0.118)ではプラセボ群(平均変化量1.75)に比べ少なく、denosumab 180 mg群(平均変化量0.06、P=0.007)ではプラセボ群に比べ有意に少なかった。denosumab 180 mg群では早くも6カ月後において修正Sharpびらんスコアにプラセボ群との有意差が認められ(P=0.019)、12カ月後においてはdenosumab 60 mg群(P=0.012)とdenosumab 180 mg群(P=0.007)共にプラセボ群との有意差が認められた。denosumabにより骨代謝マーカーは持続的に抑制された。関節裂隙狭小化またはRA疾患活動性の指標に対するdenosumabの効果を示す所見は認められなかった。有害事象発現率はdenosumab群とプラセボ群の間で同等であった。
結論
継続中のメトトレキサート治療にdenosumabの年2回の注射を併用すると、RA患者の関節構造の損傷が12カ月間までにわたり抑制されたが、有害事象発現率はプラセボに比べ上昇しなかった。
コメント
関節リウマチの治療は、関節痛・関節腫張等の症状改善を目的とするばかりでなく、最近では関節破壊の阻止を目的とする方向にある。現在使用されている生物製剤はサイトカインを抑制する治療薬であるが、denosumabは関節破壊を予防または軽減する目的で作成されたものなので、期待されている。結果的に1年の観察では、骨破壊に対しては多少の有効性はみられたが、軟骨破壊に対しては効果がみられなかった。有効性があるかどうかは、長期観察による評価を要す。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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