関節リウマチ患者の疾患活動性に関する新たなバイオマーカーの候補:CXCL13、CCL23、TGF-α、TNF-α受容体スーパーファミリーメンバー9、M-CSF刺激因子
Potential novel biomarkers of disease activity in rheumatoid arthritis patients: CXCL13, CCL23, transforming growth factor alpha, tumor necrosis factor receptor superfamily member 9, and macrophage colony-stimulating factor.
Rioja I, Hughes FJ, Sharp CH, Warnock LC, Montgomery DS, Akil M, Wilson AG, Binks MH, Dickson MC.
GlaxoSmithKline, Stevenage, UK.
Arthritis Rheumatism 2008 Aug;58(8):2257-67
目的
一連の炎症性蛋白の血漿中濃度に、関節リウマチ(RA)患者の疾患活動性に関するバイオマーカーとしての有用性があるかどうかを調べること。
方法
米国リウマチ学会の1987年の基準に基づきRAと診断された患者44例(活動性症例22例および非活動性症例22例)と、年齢および性別をマッチさせた対照健常者16例を対象に、血漿蛋白(n=163)のプロファイリングを行った。異なる発現パターンを示す蛋白のサブセットについて、RA疾患活動性の予測因子としての有用性があるかどうかを、部分最小二乗法判別分析を用いて検討した。また、これらの蛋白について、抗TNF-α薬の投与を受けた活動性RA患者16例から成る別のコホートから得られた血漿を用いて、治療的介入に対する反応を評価した。
結果
蛋白プロファイリングによる検討から、活動性RA患者と非活動性RA患者の血漿検体において発現パターンが異なっていた蛋白が25種類同定され(false discovery rateを補正したp値≦0.01)、これらの中には、これまでに報告されているインターロイキン-6(IL-6)、オンコスタチンM、IL-2に加え、十分に確立されていない5つのマーカーであるM-CSF、TNF-α受容体スーパーファミリーメンバー9、CCL23、TGF-α、CXCL13が含まれていた。これら5種類のマーカーの血中濃度は、C反応性蛋白値、赤血球沈降速度、リウマチ因子濃度、68関節における圧痛関節数、および28関節による疾患活動性スコア(DAS28)と相関しており、それらの血漿中濃度の組合せは疾患活動性の優れた予測因子となることが示された(κ=0.64)。抗TNF-α薬の投与を受けたRA患者では、治療1日後および7日後にCXCL13の血漿中濃度の低下がみられ、CCL23、M-CSFおよびCXCL13の濃度にDAS28スコアとの統計学的に有意な正の相関がみられた。
結論
バイオマーカーの探索を目的とした今回の探索研究により、RA疾患活動性の予測因子となるいくつかの蛋白が同定された。これらの蛋白は、病型亜型の定義ならびに臨床試験における治療反応の評価において有用な可能性がある。
コメント
疾患活動性マーカーとしては従来、急性期蛋白等が知られていたが、最近では炎症状態とは異なって直接急性期蛋白の発現を抑制する生物製剤も出現してきたため、新たな疾患活動性マーカーを模索する必要性が出てきた。本研究結果により、発病、病勢に関与するケモカイン、サイトカイン、受容体を測定し、その測定値により疾患活動状態を把握できることが示された。新たなマーカーとして注目したい。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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