変形性膝関節症のX線画像上の所見と膝痛との相関:2つのコホート研究による結果
Association between radiographic features of knee osteoarthritis and pain: results from two cohort studies
Neogi T, Felson D, Niu J, Nevitt M, Lewis CE, Aliabadi P, Sack B, Torner J, Bradley L, Zhang Y.
Clinical Epidemiology Research and Training Unit, Boston University School of Medicine, 650 Albany Street, Boston, MA 02118, USA
BMJ 2009 Aug 21 ;339:b2844 doi:10.1136/bmj.b2844
目的
2つのコホートにおける、膝痛を伴う膝の不調を有する患者での変形性膝関節症のX線画像所見と膝痛との関連を検証すること。
デザイン
膝部の状態をマッチさせた、症例対照研究。
調査対象および分析対象
膝部のX線検査および疼痛評価を受けた、Multicenter Osteoarthritis Study(MOST)およびFramingham Osteoarthritis Studyの参加者を対象とした。
主要評価項目
疼痛を伴う膝の不調を有する患者の両膝の状態をマッチさせた群間で、Kellgren Lawrenceスコア(0〜4)、骨棘、関節裂隙狭小化ステージ(0〜3)により評価した変形膝関節症のX線画像上の所見と、疼痛評価の各指標(頻度、持続性、および重症度)との関連について検証した。
結果
MOST群696例、Framingham群336例を対象とした。Kellgren Lawrenceスコアは頻繁な膝痛と関連していた。例えば、患者のKellgren Lawrenceスコア4対0で比較した、頻繁な膝痛のオッズ比は、MOST群で151(95%信頼区間43〜526)、Framingham群で73(16〜331)であった(両群ともP for trend<0.001)。また、Kellgren Lawrenceスコアと膝痛の持続性および重症度との関連についても同様の結果がみられた。関節裂隙狭小化ステージは、骨棘よりもそれぞれの疼痛指標と強く相関していた。
結論
患者間の交絡を最小化する方法により、変形性関節症のX線画像所見と膝痛と強く相関することが本研究から見出された。
コメント
変形性関節症の患者の悩みとなっている膝痛がどのような原因で起こっているのかは重要な研究課題である。これまではX線所見と膝痛との関係はないとの報告もなされていたが、本研究は、関係する交絡要因を補正して、X線画像所見と膝痛が強く関連していることを明らかにし、膝痛の原因は膝関節の構造変化によることを明確にしたものである。膝痛に悩む変形性関節症の患者の苦痛の客観的な評価につながるものと思われる。
監訳・コメント:大阪大学大学院医学系研究科 健康政策学 高鳥毛 敏雄先生
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