自己免疫疾患およびその関連病態と関節リウマチとの家族的関連
Familial Associations of Rheumatoid Arthritis With Autoimmune Diseases and Related Conditions
Hemminki K, Li X, Sundquist J, Sundquist K.
German Cancer Research Center, Heidelberg, Germany, and Karolinska Institute, Huddinge, Sweden
Arthritis Rheumatism 2009 Mar;60(3):661-8
目的
全ゲノム関連研究が可能になった時代においては、疾患遺伝率および候補遺伝子同定の可能性を推定するために家族内発症危険度が用いられる。本研究の目的は、関節リウマチ(RA)と33種の自己免疫疾患・関連疾患との相関を、親子間、兄弟姉妹間、双生児間、および配偶者間における関連を推定することであった。
方法
前世紀のスウェーデン人家系に関する信頼できる情報源として、スウェーデンのMultigeneration Registerを用いた。家族の個々の構成員の自己免疫疾患に関するデータを、Hospital Discharge Registerとの関連付けにより収集した。罹患者のいない家族の構成員の相対危険度に照らして、RAまたは他の33種の自己免疫疾患もしくはその関連病態を有する患者の家族の構成員におけるRAの相対危険度の指標として、標準化罹患比(SIR)を算出した。
結果
計447,704例の患者のうち、47,361例がRAと診断された。RAのSIRは、RA患者の子供の場合は3.02、兄弟の場合は4.64、多発家系の場合は9.31、双生児の場合は6.48、配偶者の場合は1.17であった。親が以下の発端者であった場合、子供のRAの家族性危険度との有意な関連がみられた:強直性脊椎炎(SIR 2.96)、限局性強皮症(SIR 2.40)、シェーグレン症候群(SIR 2.25)、全身性エリテマトーデス(SIR 2.13)、全身性硬化症(SIR 1.65)、橋本甲状腺炎/甲状腺機能低下症(SIR 1.54)、悪性貧血(SIR 1.53)、サルコイドーシス(SIR 1.40)、乾癬(SIR 1.36)、ウェゲナー肉芽腫症(SIR 1.34)、喘息またはリウマチ性多発筋痛症(SIR 1.32)。
結論
本研究は、単一集団のデータを用いて、RAの家族性危険度と多数の自己免疫疾患・関連病態との関連性を比較した初の研究である。この集団では疾患が異なる場合でも、高いRAの家族性危険度が認められることから、RAとそれに関連した疾患の間で幅広い共通の遺伝子背景を共有していることが示唆される。
コメント
膠原病・リウマチ疾患では家族内発症が高いと考えられていたが、証明することは困難であった。この度、全ゲノム解析ができるようになって、その発現遺伝子の解析から、RA患者が認められる家系では33種の膠原病・リウマチ性疾患の発症が高いことを示唆することができた。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
PudMed: