持続的寛解時における関節リウマチの関節損傷の進行はX線評価前の疾患活動性によって決まる
Rheumatoid arthritis joint progression in sustained remission is determined by disease activity levels preceding the period of radiographic assessment
Aletaha D, Funovits J, Breedveld FC, Sharp J, Segurado O, Smolen JS.
Belgrade University School of Medicine, Belgrade, Serbia.
Division of Rheumatology, Medical University of Vienna, Vienna, Austria. daniel.aletaha@meduniwien.ac.at
Arthritis Rheumatism 2009 May;60(5):1242-9
目的
関節損傷は関節リウマチ(RA)の疾患活動性に関係しているが、その進行の程度、および疾患活動性と関節損傷との時間的関連については明らかになっていない。本研究の目的は、RA患者のX線上の進行に対して疾患活動性が時間的に遅れて影響を及ぼすかどうかについて評価することであった。
方法
早期RAを対象にアダリムマブ+メトトレキサート併用とメトトレキサート単剤またはアダリムマブ単剤との比較を行う2年間の無作為化比較臨床試験であるPREMIER試験からデータを得た。同試験の2年目に寛解(Simplified Disease Activity Indexが3.3以下)が得られた患者の部分集団におけるX線上の関節損傷の進行について、修正総Sharpスコアを用いた計算を行った。1年目にさらに3カ月間、6カ月間または9カ月間にわたり既に寛解が得られていた患者群間で、2年目における損傷の進行を比較した。分散分析を用いた検定を行い、線形傾向を調べた。
結果
2年目に持続的寛解が得られたのは早期RA患者794例のうち119例(15%)であり、3つの投与群間でX線上の進行に差は認められなかった。1年目にさらに3カ月間、6カ月間または9カ月間にわたり寛解が得られていた患者群間では、2年目のX線上の進行に有意差が認められた(修正Sharpスコアの平均変化量:3カ月寛解後群では1.19、6カ月寛解後群では0.20、9カ月寛解後群では−0.32、P<0.05)。この結果は、一連の感度分析において同様の結果が得られたことによって裏付けられた。
結論
これらのデータから、疾患活動性のレベルおよび寛解期間は、RAにおけるその後のX線上の関節損傷の進行に影響を及ぼすことが示されている。RAの臨床試験におけるX線上の転帰を評価する際には、疾患活動性の評価時点から、疾患活動性がX線上の進行に影響を及ぼすまでのこのような時間的な遅れを考慮する必要がある。
コメント
関節リウマチ(RA)の関節損傷(骨破壊と軟骨破壊)が疾患活動性と関連することは推測されてはいたが、明らかでなかった。このたびの研究結果から、疾患活動性を把握し評価することによって、関節のX線上の進行が時間的ずれを伴いながらも疾患活動性と関連することが示唆された。RA診療時には常に活動性評価と定期的X線像を得ることが進行を予測することにつながり、必要であることを示している。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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