リツキシマブは難治性眼症を呈するウェゲナー肉芽腫症の治療に有効である
Rituximab is effective in the treatment of refractory ophthalmic Wegener's granulomatosis
Taylor SR, Salama AD, Joshi L, Pusey CD, Lightman SL
Department of Clinical Ophthalmology, University College London Institute of Ophthalmology, Moorfields Eye Hospital, London, UK.
Arthritis Rheum. 2009 May;60(5):1540-7.
目的
難治性眼症を呈するウェゲナー肉芽腫症(WG)患者に対するリツキシマブの有効性について検討すること。
方法
リツキシマブ治療を受けた連続する10例の難治性眼症を呈するWG患者のデータを後向きに検討した。全例において、眼疾患が治療法決定の要因となっており、標準的な免疫抑制療法を行っても疾患活動性が継続して認められた。患者には難治性強膜炎(3例)、視神経障害をもたらす眼窩肉芽腫(4例)、または両者の病態(3例)が認められた。全例が3種類以上の免疫抑制薬の投与歴を有しており、5例には腫瘍壊死因子α遮断薬の投与歴があった。リツキシマブの投与は、標準治療との併用として、2週間の期間を空けた2回の静脈内投与として行われた。疾患活動性のモニタリングは、疾患活動性のスコア評価、免疫診断、MRIを含めた学際的アプローチを用いて、また既存薬の投与量の減少に基づいて行われた。
結果
10例全例において、臨床寛解の誘導を含めたリツキシマブ治療に対する有効性が認められた。リツキシマブ治療の施行中には、全例で末梢血B細胞数がゼロまで低下した。指標である抗好中球細胞質抗体価はB細胞数と連動して低下したが、この低下は臨床所見の改善と相関していた。
結論
これまでの観察結果とは異なり、本研究では、リツキシマブ治療により難治性眼症を呈するWG患者で臨床的改善が得られることが示された。
コメント
ウェゲナー肉芽腫の治療は困難で、ステロイド大量投与に加えてシクロホスファミド(エンドキサン)等の免疫抑制薬が使われていた。この試験では、B細胞の抗原CD20に対するモノクローナル抗体のリツキシマブ(リツキサン)を用いて、難治性の眼症を呈するウェゲナー肉芽腫の治療を行ったところ、有効性が認められた。新しい治療法が期待できることに加えて、本疾患に強くB細胞が関与していることが示された。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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