閉経後の女性関節リウマチ患者における関節骨びらんと全身性骨粗鬆症との関連
The relationship between focal erosions and generalized osteoporosis in postmenopausal women with rheumatoid arthritiss
Solomon DH, Finkelstein JS, Shadick N, LeBoff MS, Winalski CS, Stedman M, Glass R, Brookhart MA, Weinblatt ME, Gravallese EM.
Brigham and Women's Hospital, Division of Rheumatology, Boston, Massachusetts 02115, USA. dsolomon@partners.org
Arthritis Rheum. 2009 Jun;60(6):1624-31
目的
罹患が10年に及ぶ関節リウマチ(RA)患者では、半数以上で関節骨びらんがみられ、骨折リスクは2倍となる。しかし、関節骨びらんと骨密度(BMD)との関連に関する情報はほとんどない。本研究の目的は、RA患者におけるBMD低下がびらんスコアの上昇と関連しているかどうかを調べることであった。
方法
骨粗鬆症治療薬を服用していない閉経後の女性RA患者163例を登録した。股関節と脊椎の二重X線吸収測定および手のX線撮影を行い、質問票に記入させた。Sharp法を用いて手のX線写真のスコア評価を行い、Spearmanの順位相関係数および線形回帰モデルで補正してBMDとびらんの関連を評価した。
結果
平均罹患期間は13.7年であり、ほぼ全例が疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を服用していた。63%がリウマチ因子(RF)陽性であった。修正Health Assessment Questionnaire(HAQ)スコアの中央値は0.7であり、28関節による疾患活動性スコアの平均値は3.8であった。びらんスコアには股関節総BMDとの有意な相関がみられたが(r=−0.33、P<0.0001)、腰椎BMDとの相関はみられなかった(r=−0.09、P=0.27)。RF陽性例ではRF陰性例に比べ股関節BMDが有意に低かった(P=0.02)。年齢、体格指数、およびグルココルチコイドの累積服用量を考慮した多変量モデルでは、股関節総BMDと腰椎BMDのどちらについても、関節骨びらんとの有意な関連は認められなかった。
結論
本研究の結果から、閉経後の女性RA患者では股関節BMDと関節骨びらんとの間に関連がみられるが、多変量補正を行うとこの関連は消失することが示唆される。BMDおよびびらんはRAの骨症状と相関する可能性があるが、この関連は複雑なものであり、疾患に関連したその他の要因による影響を受ける。
コメント
RAにおける骨変化として、骨びらんと疾患進行との関連はよく知られているが、骨密度に関してはRAに特異的かどうか不明な点が多い。特にRAが高年齢の女性に多いことから、閉経後のエストロゲンの低下による骨密度とRAによる骨密度変化の可能性との関連が不明であった。本研究によって骨密度と骨びらんとの関連性が乏しいことが示唆された。即ち、RAにおいては骨密度はRAの進行度とは相関しがたいことを示している。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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