コラーゲン誘発性関節炎の罹患関節ではγ/δT細胞がインターロイキン-17の優勢な産生源であるが関節リウマチでは優勢な産生源ではない
Gamma/delta T cells are the predominant source of interleukin-17 in affected joints in collagen-induced arthritis, but not in rheumatoid arthritis
Ito Y, Usui T, Kobayashi S, Iguchi-Hashimoto M, Ito H, Yoshitomi H, Nakamura T, Shimizu M, Kawabata D, Yukawa N, Hashimoto M, Sakaguchi N, Sakaguchi S, Yoshifuji H, Nojima T, Ohmura K, Fujii T, Mimori T.
Center for Innovation in Immunoregulative Technology and Therapeutics, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan.
Arthritis Rheumatism 2009 Aug;60(8):2294-303
目的
インターロイキン-17(IL-17)産生性のγ/δ T細胞は、コラーゲン誘発性関節炎(CIA)の発症に関与していると報告されているが、その性質は明らかとなっていない。本研究の目的は、γ/δ T細胞またはCD4+ T細胞が優勢なIL-17産生細胞であるかどうかを明らかにすること、およびCIAマウスのγ/δ T細胞のIL-17分泌を刺激するものを明らかにすることであった。自己免疫性関節炎を有するSKGマウスおよび関節リウマチ(RA)患者を対象に、IL-17産生性のγ/δ T細胞の関与についても検討した。
方法
疾患経過における6つの時期に、細胞内サイトカイン染色を用いてCIAマウスの罹患関節におけるIL-17産生細胞を計数した。これらの細胞をサイトカインまたは特異抗原の種々の組合せを用いて刺激して、シグナル伝達を必要とするかどうかを調べた。関節炎を有するSKGマウスおよびRA患者を対象として、同様の検討を行った。
結果
γ/δ T細胞は、CIAマウスの腫脹関節内のIL-17産生細胞における優勢な集団となっており、その細胞の絶対数は疾患活動性と並行して上昇した。IL-17産生性のγ/δ T細胞はCCケモカイン受容体6を発現しており、in vitroではII型コラーゲンではなくIL-23によって維持され、in vivoで抗原非特異的に誘導された。さらに、γ/δ T細胞によるIL-17産生は、T細胞受容体とは無関係にIL-1β+IL-23によって誘導された。CIAマウスでの観察結果とは異なり、SKGマウスおよびRA患者の罹患関節にはIL-17産生性のγ/δ T細胞がほとんど認められず、RA患者の関節ではTh1細胞が優勢であった。
結論
γ/δ T細胞は罹患関節の炎症によって抗原非特異的に刺激され、大量のIL-17を産生することでCIAマウスの関節炎を悪化させたが、関節炎を有するSKGマウスまたはRA患者ではこのことは認められなかった。
コメント
IL-17産生γ/δ T細胞を検索する限り、実験モデルのCIAマウスとヒトRA患者とでは全く異なる結果が得られた。このことは、必ずしもin vitroあるいは動物モデルで得られた結果がヒトの疾患の病態を反映しているものではないことを示している。動物モデルにおける現象はヒト疾患の病態の参考になることもあるが、全く異なった現象であることもあり、注意を要する。またヒトでの現象は発症時期でも異なることがあるので、この点も注意を要する。
監訳・コメント:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 吉崎 和幸先生
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