関節リウマチにおける間質性肺疾患の発症率および死亡率:患者集団および非患者集団間の研究
Incidence and mortality of interstitial lung disease in rheumatoid arthritis: a population-based study
Bongartz T, Nannini C, Medina-Velasquez YF, Achenbach SJ, Crowson CS, Ryu JH, Vassallo R, Gabriel SE, Matteson EL
Rheumatology Department, Mayo Clinic College of Medicine, Rochester, Minnesota 55905, USA. bongartz.tim@mayo.edu
Arthritis Rheum. 2010 Jun;62(6):1583-91
目的
間質性肺疾患(ILD)は関節リウマチ(RA)の重要な合併疾患であると考えられている。RAに関連したILDの発症率、予測因子および死亡率を集団間比較で評価することを目的に、本研究を行った。
方法
RA患者集団コホートと、これとマッチさせた非RA患者集団(コホート)を対象として検討した。全被験者を経時的に追跡調査した。ILDの生涯リスクを推定した。Cox検定を用いて、コホート間でのILD発症率の比較、予測因子の検討、およびILDが生存に及ぼす影響について検討を行った。
結果
RA患者集団(582例)と非RA患者集団(603例)をそれぞれ平均16.4年および19.3年にわたり追跡調査した。ILD発症の生涯リスクは、RA患者では7.7%、非RA患者では0.9%であった。この差はハザード比(HR)として8.96(95%信頼区間[CI]4.02〜19.94)に相当するものであった。ILD発症のリスクは、発症時点において高年齢であったRA患者、男性患者、および重度のRA患者において高かった。ILDを併存するRA患者の死亡リスクは、ILDを併存しないRA患者の3倍であった(HR 2.86[95%CI 1.98〜4.12])。ILDの診断後の生存期間中央値はわずか2.6年であった。非RA患者集団と比較した場合のRA患者集団の死亡率に対するILDの寄与は約13%であった。
結論
本研究の結果から、RA患者ではILDのリスクが高いことが示された。ILDが生存率の低下に影響を及ぼすということは、ILDに対する優れた治療戦略の開発によってRA患者における死亡率を有意に低下させ得ることを示す証拠となる。
コメント
RA患者に高率に間質性肺疾患(ILD)が続発することはよく知られ、呼吸機能の低下がRAのリスクファクターになっている。このため、診療上ILD合併には常に注意を要する。本研究結果から、ILDの合併が呼吸機能の低下ばかりでなく、生存に対しても死亡率の上昇、生存期間の短縮をもたらすことが明らかとなった。以上の結果から、生存の点からもILD合併を未然に防ぎ、発症早期に確認し治療することの重要性が示された。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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