オリーブ油消費量、血漿中オレイン酸濃度と脳卒中発生率:3都市研究
Olive oil consumption, plasma oleic acid, and stroke incidence: The Three-City Study.
Samieri C, Féart C, Proust-Lima C, Peuchant E, Tzourio C, Stapf C, Berr C, Barberger-Gateau P.
Equipe Epidémiologie de la Nutrition et des Comportements Alimentaires, INSERM, U897, Université Bordeaux 2, ISPED case 11, 146 rue Léo-Saignat, F-33076 Bordeaux cedex, France Cecilia.Samieri@isped.u-bordeaux2.fr.
Neurology. 2011 Aug 2;77(5):418-25. Epub 2011 Jun 15.
目的
オリーブ油の摂取量が多いことと、オリーブ油摂取量の間接的な生物学的マーカーである血漿中のオレイン酸濃度が高いことが、高齢者における脳卒中の発生率の低下に関連するかどうかを検討した。
方法
ベースラインで脳卒中の病歴がない3都市研究(ボルドー、ディジョン、モンペリエ)の参加者の中で、オリーブ油の摂取量(主要サンプル、7,625人)あるいは血漿中のオレイン酸濃度(二次サンプル、1,245人)と、専門家委員会により検証された診断で確認した脳卒中の発生率(追跡期間の中央値5.25年)との間の関連について検討した。
結果
主要サンプルにおいて、148件の脳卒中が発生した。社会人口統計学的ならびに食事に関連する変数、身体活動性、BMI値、脳卒中のリスク因子などにより補正すると、オリーブ油の摂取量が多いほど脳卒中の発生率は低かった(傾向のP=0.02)。オリーブ油を全く使用しない人に比べ、よく使用する人では脳卒中のリスクが41%低かった(95%信頼区間[CI]6〜63%、P=0.03)。二次サンプルにおいては、27件の脳卒中が発生した。十分な補正を行ったところ、血漿中オレイン酸濃度が高いほど脳卒中の発生率は低下した(傾向のP=0.03)。血漿中オレイン酸濃度の第1三分位群(最も低い群)の参加者と比べ、第3三分位群(最も高い群)では脳卒中のリスクが73%低かった(95%CI 10〜92%、P=0.03)。
結論
以上の結果から、オリーブ油の摂取量が多いことは高齢者の脳卒中リスクに対して保護作用を有することが示された。
コメント
脳血管障害はわが国における患者数では第一位を占め、経済的効果においてもその予防は重要な課題であり、中でも自然食品による予防は重要と言える。本報告はフランスからのもので、オリーブオイル摂取が高齢者の脳卒中予防に有効であることを示している。食文化上、日本ではオリーブオイル摂取は必ずしも一般的ではないが、今後オリーブオイルのどの成分が有効なのかを確定し(本報告ではオレイン酸の可能性を示唆している)、日本の食文化において利用可能なものの中に同様の作用を有するものがあるかどうかを検討する必要があるだろう。食と医療の文化上の連携を示すもので、興味深いため紹介した。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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