CD8 T細胞は多発性筋炎の病因に関連する:マウスモデルによる実験結果
Definitive engagement of cytotoxic CD8 T cells in C protein-induced myositis, a murine model of polymyositis.
Sugihara T, Okiyama N, Suzuki M, Kohyama K, Matsumoto Y, Miyasaka N, Kohsaka H.
Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, and Yokohama Institute, RIKEN, Yokohama, Japan.
Arthritis Rheumatism 2010 Oct;62(10):3088-92
多発性筋炎(PM)は全身の横紋筋に発症する慢性自己免疫疾患である。PMモデルマウスにおけるCD8 T細胞の病態意義を明らかにするため、HLAの短鎖のβ2-ミクログロブリン(β2m)を欠損させて抗原提示能を欠損させたマウスと、細胞障害性T細胞(CD8 T細胞)による細胞障害に関与するパーフォリン(P)を欠損させたマウスで実験を行った。C蛋白を免疫して筋炎(CIM)を作成したところ、自然マウスに比べβ2m欠損またはP欠損マウス(P<0.05)では筋損傷が有意に軽症であった。また、CIM発症マウスのCD8 T細胞を正常マウスに移入したところ、CD4 T細胞に比べ筋損傷が有意に強く生じた(P<0.05)。CIMにおける筋損傷には、CD8 T細胞によるパーフォリンを介した細胞障害が関与している。
コメント
膠原病の多発性筋炎(PM)の発症における免疫機序には不明な点が多く、解明が望まれている。今回、日本の研究者らにより、CIMの発症にはパーフォリンを介してCD8 T細胞が強く関与していることが示された。また、文献的にTNF-α、Fas、CD4 T細胞の関与は示唆されていない。このことから、PMにおける免疫機序の一部が示唆され、画期的な研究である。今後、CD8 T細胞抑制によるPM治療への展開も視野に入れることができるようになった。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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