反応式皮質刺激(Responsive cortical stimulation)による薬物抵抗性の難治部分てんかんの治療
Responsive cortical stimulation for the treatment of medically intractable partial epilepsy.
Morrell MJ; On behalf of the RNS System in Epilepsy Study Group.
NeuroPace, Inc., 1375 Shorebird Way, Mountain View, CA 94043 mmorrell@neuropace.com.
Neurology. 2011 Sep 27;77(13):1295-1304. Epub 2011 Sep 14.
目的
薬物抵抗性難治てんかんを有する成人患者の部分発作に対する補助療法としての反応式皮質刺激について、多施設二重盲検無作為化対照試験を行い、安全性と有効性を評価した。
方法
薬物抵抗性の難治部分てんかんを有する成人患者計191人に、あらかじめ特定した1カ所または2カ所の発作焦点に留置した深部電極または硬膜下電極と接続する反応式神経刺激装置を体内に埋め込んだ。神経刺激装置は異常な皮質脳波活動を記録するようプログラムされていた。埋め込みから1カ月後に被験者を、異常脳波に反応した刺激を行う(治療)群と刺激を行わない(シャム)群に1対1の比で無作為に割り付けた。有効性と安全性を、12週間の二重盲検期間中、およびその後84週間にわたる被験者全員(治療群とシャム群の両群)に反応式刺激を実施した非盲検期間に評価した。
結果
二重盲検期間中の発作はシャム群(−17.3%、94人)に比べ治療群(−37.9%、97人)で有意に減少し(P=0.012)、有害事象については両群に差はみられなかった。非盲検期間では、治療群の発作には持続的な減少がみられ、シャム群でも刺激開始により発作が有意に減少した。全体的なQOLが有意に改善し(P<0.02)、気分や神経心理学的機能の低下はみられなかった。
結論
反応式皮質刺激は、日常生活に支障をきたす部分発作の頻度を減少させ、QOLを改善し、気分や認知機能への影響もなく忍容性が良好である。反応式刺激は薬物抵抗性の難治部分発作を有する成人患者に対する新たな補助療法の選択肢となる可能性がある。
エビデンスの分類
本研究の結果から、2種類以上の抗てんかん薬治療が奏効せず、月に3回以上の発作がみられ、1カ所または2カ所の発作焦点を有する成人において、反応式皮質刺激により12週間にわたり発作頻度が有意に減少する効果がみられたという、クラスIのエビデンスが得られた。
コメント
ここ数年、日本では使用可能な抗てんかん薬の数が増え、てんかん治療が実施しやすくなった感がある。しかし、辺縁系脳炎におけるてんかん発作など、いわゆる症候性局在関連てんかんの発作の治療には難渋することが多い。本論文は、皮質の発作焦点近傍に設置した電極が部分発作の異常脳波をキャッチし、体内に埋め込んだ刺激装置から刺激を送ることにより、臨床的な発作発現が抑制されることの有効性と安全性を示したものである。手技などが煩雑な点を考慮しても、患者にとり朗報と考えられるため取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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