認知症の既往の有無で比較した虚血性脳卒中患者の治療と転帰
Care and outcomes in patients with ischemic stroke with and without preexisting dementia.
Saposnik G, Cote R, Rochon PA, Mamdani M, Liu Y, Raptis S, Kapral MK, Black SE; On behalf of the Investigators of the Registry of the Canadian Stroke Network and the Stroke Outcome Research Canada (SORCan) Working Group.
55 Queen St East, Suite 931, St Michael's Hospital, University of Toronto, Toronto M5C 1R6, Canada saposnikg@smh.ca.
Neurology. 2011 Nov 1;77(18):1664-1673.
虚血性脳卒中患者において、発症前の認知症の有無が、臨床的特徴、受ける治療内容、退院時の転帰などに及ぼす影響について、カナダの研究者らが検討した。カナダ脳卒中ネットワークのデータベースに2003年から2008年の6年間に登録された急性虚血性脳卒中患者を対象とした後ろ向きコホート研究である。評価を行った急性脳卒中患者9,304例のうち、702例(9.1%)に認知症の既往があり、既往を有する患者は、脳卒中の重症度が高く(認知症ありと認知症なしで比較、Canadian Neurological Scaleスコア4未満、20.7%対10.5%、P<0.001)、脳卒中専門病棟に入院する確率や血栓溶解療法を受ける確率も低かった。さらに、退院時に障害の重症度が高く(オッズ比[OR] 3.20、95%CI 2.64〜3.87)、退院後に発症前の居住先に戻る確率が低かった(24%対45%、P<0.001)。これらの結果が現行の医療制度の課題であると結論づけている。
コメント
以前から、認知症では、アルツハイマ−型に脳卒中型を合併した場合に予後が不良であると言われてきたが、本研究は臨床研究の基本であるレジストリーと様々な統計的手法を用いてこの問題を検討したものである。認知症患者における虚血性脳血管障害の一次および二次予防の課題とともに、社会医学上のバックアップの重要性も指摘している。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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