脳脊髄液中の抗U1 RNP抗体は全身性エリテマトーデスと混合性結合組織病の中枢神経症状に関与する
Anti-U1 RNP antibodies in cerebrospinal fluid are associated with central neuropsychiatric manifestations in systemic lupus erythematosus and mixed connective tissue disease.
Sato T, Fujii T, Yokoyama T, Fujita Y, Imura Y, Yukawa N, Kawabata D, Nojima T, Ohmura K, Usui T, Mimori T.
Kyoto University and National Hospital Organization Utano Hospital, Kyoto, Japan.
Arthritis Rheum. 2010 Dec;62(12):3730-40. doi: 10.1002/art.27700.
中枢神経症状を呈する全身性エリテマトーデス(NPSLE)患者と混合性結合組織病(MCTD)患者における、脳脊髄液(CSF)中の抗U1 RNP抗体の意義を検討した。中枢神経症状を呈するSLE患者24例とMCTD患者4例を対象に、血清中およびCSF中の抗U1 RNP抗体を測定した。抗U1 RNP indexが高値の患者では、CSF中の抗U1 RNP抗体は、感度64.3%、特異度92.9%でNPSLEを検出した。自己抗原部位を含むU1-70K、U1-A、U1-Cに対する抗体(CSF中および血清中)について調べたところ、NPSLEを呈する抗U1 RNP抗体陽性患者では、抗U1-70K indexが抗U1-A indexや抗U1-C indexよりも高かった。以上より、CSF中の抗U1 RNP抗体と抗U1 RNP indexは、抗U1 RNP抗体陽性患者におけるNPSLE検出に有用であることが示唆される。CSF中で抗U1-70K抗体が優勢であることから、脳脊髄腔内において抗U1 RNP抗体が産生されていると考えられる。
コメント
中枢神経症状を呈する全身性エリテマトーデス(NPSLE)はQOLの低下をきたすとともに、生命予後に影響する重大な因子である。しかし本症を診断する適切なマーカーはなく、マーカーの特定が望まれていた。著者らはSLE患者のCSF中および血清中にみられる抗U1-RNP抗体に着目し、その発現量と比率(index)を測定して検討した。その結果、NPSLE患者ではCSF中の抗U1-RNP抗体が高値で、抗U1-RNP indexの算出によって診断が可能になることを示した。この結果は、SLEにおける中枢神経症状発現の病態解析に有用な情報を提供するだけでなく、NPSLEの診断にも有用であること示唆するものである。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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