脊髄梗塞後の回復:患者115例の長期アウトカム
Recovery after spinal cord infarcts: Long-term outcome in 115 patients
Robertson CE, Brown RD Jr, Wijdicks EF, Rabinstein AA.
Correspondence & reprint requests to Dr. Rabinstein: rabinstein.alejandro@mayo.edu.
Neurology. 2012 Jan 10;78(2):114-21. Epub 2011 Dec 28.
1990年から2007年の間に治療を受けた脊髄梗塞(SCI)患者115例(平均年齢64歳、男性72例)を対象に、長期アウトカムと予後予測因子を検討した。American Spinal Injury Association(ASIA)の障害評価尺度のうち、歩行能力、膀胱留置カテーテルの必要性、痛みの有無を用いて評価した。SCIの45%は周術期(大動脈手術69%)に発生し、68%が1時間以内に最大損傷に達していた。最大損傷時(nadir)のASIA重症度(Aが最も重度)は、A 23%、B 26%、C 14%、D 37%で、81%が車椅子使用、86%がカテーテル留置、32%が痛みありであった。最終フォローアップ時点(平均3年)では、23%が死亡し(末梢血管障害が死亡の独立した危険因子、P=0.003)、生存者の42%が車椅子使用、54%がカテーテル留置であった。nadirでの重度障害(ASIA A/B)は、高齢であるほど高く(P<0.02)、車椅子使用およびカテーテル留置(いずれもP<0.0001)など機能的な転帰不良と最も強く相関する予後因子であったが、これらの患者の少数で意義のある回復が認められた。
コメント
Mayo Clinicの神経内科からの脊髄梗塞に関する比較的多数例を検討した報告を取り上げた。脊髄梗塞は全卒中のうち1%と頻度は低く、動脈解離や大動脈手術に関連することが多く、予後不良と言われている。しかし、実際に検討した報告は少なく、今回の分析結果、すなわち最大損傷時における重度障害例は機能的には転帰不良ではあるが、限られた少数例に意義のある回復が見込まれる予後良好例もあるとの所見は朗報であることから取り上げた。予後良好例が受けた治療法に関するさらなる分析が待たれる。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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