人工股関節の材質による比較評価:系統的レビュー
Comparative assessment of implantable hip devices with different bearing surfaces: systematic appraisal of evidence
Sedrakyan A, Normand SL, Dabic S, Jacobs S, Graves S, Marinac-Dabic D.
Weill Cornell Medical College, New York, NY 10065, USA. ars2013@med.cornell.edu
BMJ. 2011 Nov 29;343:d7434. doi: 10.1136/bmj.d7434.
人工股関節では、「骨頭」と「臼蓋」の摺動面(こすれあう面)がそれぞれ2つの人工物でつくられている。材質の組み合わせとしては、従来の金属対ポリエチレン、セラミック対ポリエチレン、および最近の金属対金属、セラミック対セラミックがある。材質の組み合わせによる安全性と有効性について、研究報告に関する論文を系統的に抽出し、分析した。830,000件以上の中から18件、3,139人、3,404股関節を抽出して評価している。年齢42〜71歳、女性の割合は26%〜88%であった。金属対金属では脱臼が少ないものの、金属対ポリエチレンと比べると、再置換術の施行率が高かった。セラミック対セラミックでは、金属対ポリエチレンに比べて再置換術の施行率が低かったが、国内の論文の系統的なレビューからはその裏付けが得られなかった。臼蓋材料を従来のポリエチレンから金属やセラミックに変えた新しいものが格段に優れているとの裏付けは得られなかった。
コメント
人工股関節手術の施行数は、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどの疾患を有する患者の治療として約10年間でほぼ倍の4万件以上になっている。痛みからの解放、移動能力の向上など、日常生活の回復の画期的な技術となっている。しかし、安全で、長持ちする人工股関節が開発されていない。本報告でみると、新しい材質によるものも開発されてきているが、従来のものと比べて必ずしも優れているとは言えないようである。さらなる研究開発が待たれる。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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