カナダおよび米国の診療ガイドライン策定委員会の委員における金銭的な利益相反関係の実態:横断的研究
Prevalence of financial conflicts of interest among panel members producing clinical practice guidelines in Canada and United States: cross sectional study
Neuman J, Korenstein D, Ross JS, Keyhani S.
Department of Preventive Medicine, Mount Sinai School of Medicine, One Gustave Levy Place, Box 1057, New York, NY 10029, USA
BMJ. 2011 Oct 11;343:d5621. doi: 10.1136/bmj.d5621.
2000年から2010年の間に米国およびカナダで国立機関により公表された高脂血症(脂質異常症)または糖尿病の検査、治療あるいはその両方に関連する診療ガイドラインの策定委員会の委員を対象に、金銭的な利益相反関係の実態を調べた。ガイドライン策定に関与していた委員288人のうち138人(48%)がガイドライン公表時に利益相反関係があったと報告している。また、利益相反関係がないと報告していた委員の中で8人(11%)が1件以上の利益相反関係を有していたことが明らかになった。さらに12委員会の6人の委員長が金銭的な利益相反関係を有していた。政府が資金提供を行ったガイドラインの策定委員会の委員は、利益相反関係を有している割合が低かった。
コメント
根拠に基づく予防対策、医療が強調され、また費用対効果を考えた医療の提供が求められる中、医療の標準化が進められてきている。そのためにガイドラインがつくられ、それに沿った医療が提供されるようになっている。医薬品、検査機材の売れ行きはガイドラインにより大きな影響を受けるようになっている。そのためガイドライン策定が特定の研究者や企業の利益誘導につながりやすくなっている。本論文は、カナダ、米国の実態を調査したものである。わが国でも近年、利益相反関係に対する取り組みがあるが、本論文の結果からするとその実態を調査する必要がありそうである。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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