もやもや病の発症率および患者特性における地域差:系統的レビュー
Regional differences in incidence and patient characteristics of moyamoya disease: a systematic review.
Kleinloog R, Regli L, Rinkel GJ, Klijn CJ.
Utrecht Stroke Centre, Rudolf Magnus Institute of Neuroscience, Department of Neurology and Neurosurgery, University Medical Centre Utrecht, The Netherlands.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2012 Feb 29. [Epub ahead of print].
もやもや病は日本において初めて報告された疾患である。本論文は国別の発症率および症状を検討し、原因を明らかにしようとしたものである。1969年1月から2011年1月の間の地域住民を対象とした論文を、選択基準を設けてMedline、EMBASE、CINAHLを検索し、日本3件、台湾と中国で各1件、米国3件を抽出検討した。100,000患者・年あたりの発症率は、日本は0.35〜0.94であり、南京の0.41を除き、アイオワ州、ハワイ州、台湾の0.055〜0.17と比べて高い状況にあった。男女比は地域間で1.1〜2.8と差があり、発症症状のうちで脳内出血が占める割合は中国56%、台湾52%に対しハワイ州、日本およびアイオワ州では10〜20%前後と地域差がみられた。
コメント
もやもや病は2003年から厚生労働省難病研究班の正式名称として認証されており、病気になりやすい遺伝子が報告されている。発症率に地域差がみられるのは、感受性遺伝子の保有率の違いを反映しているのかもしれない。しかしその詳細は不明である。日本で発見されて診断が進んでいるのに対し、欧州の地域住民の発症率が低いことには、診断やデータが乏しいことも影響している可能性がある。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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