米国リウマチ学会の線維筋痛症予備診断基準(2010)日本語版と線維筋痛症重症度日本語版の信頼性と妥当性
The Japanese version of the 2010 American College of Rheumatology Preliminary Diagnostic Criteria for Fibromyalgia and the Fibromyalgia Symptom Scale: reliability and validity.
Usui C, Hatta K, Aratani S, Yagishita N, Nishioka K, Kanazawa T, Ito K, Yamano Y, Nakamura H, Nakajima T, Nishioka K.
Department of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine, Juntendo University Nerima Hospital, 3-1-10 Takanodai, Nerima-ku, Tokyo 177-8521, Japan. chiec@juntendo.ac.jp
Mod Rheumatol. 2012 Feb;22(1):40-4. Epub 2011 May 10.
米国リウマチ学会の線維筋痛症予備診断基準(2010)日本語版(ACR 2010-J)と線維筋痛症重症度日本語版(FS-J)の信頼性と妥当性を検討するため、慢性疼痛を持つ患者を前回の米国リウマチ学会の線維筋痛症診断基準(1990)により線維筋痛症患者群と非線維筋痛症患者群(関節リウマチ、骨関節症、痛風)に分け、両群をACR 2010-JとFS-Jを用いて診断した。ACR 2010-Jによる線維筋痛症の診断は、感度82%、特異性91%、陽性的中率95%、陰性的中率70%、陽性尤度比8.8であった。線維筋痛症患者の平均FS-J値は非線維筋痛症患者に比べ有意に高かった(P<0.0001)。FS-Jの検者間信頼性と内的整合性は高く、カットオフ値10の時の陽性尤度比は10.1であった。これらの結果から、ACR 2010-JとFS-Jには高い信頼性と妥当性が認められ、日本人線維筋痛症患者の診断に役立つことが示された。FS-Jは陽性検査にも適する可能性がある。
コメント
線維筋痛症は、全身の疼痛および倦怠が認められる、原因・病態不明の疾患で、有効な治療法は確立されていない。このため、少なくとも診断をより的確にし、対象患者を特定することにより、今後の病態解明への足がかりにしなければならない。その意味で、今回ACR 2010-JとFS-Jを用いた診断に、高い信頼性と妥当性が認められたことは意義深い。また、十分とはいえないまでも、現在適応となっている治療にも有用である。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
PudMed: