ALS患者における行動神経学的障害はアウトカムおよびPEGとNIVの使用に負の影響を与える
Neurobehavioral dysfunction in ALS has a negative effect on outcome and use of PEG and NIV
Chiò A, Ilardi A, Cammarosano S, Moglia C, Montuschi A, Calvo A.
the ALS Center, Department of Neuroscience, University of Torino, and AOU San Giovanni Battista, Torino, Italy. Dr. Chiò: achio@usa.net
Neurology. 2012 Apr 3;78(14):1085-9. Epub 2012 Mar 21.
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の行動神経学的障害(行動障害)が生存期間と延命治療に与える影響を、2007年1月1日から2008年6月30日までの期間にイタリアのトリノでALSと診断された132症例のうち128症例(男性71例、女性57例、発症時の平均年齢は64.7歳)で検討した。行動障害はALS診断後4カ月以内にFrontal Systems Behavior Scaleで評価。41例(32.0%)に行動障害が認められ、9例(7.0%)に遂行機能単独障害が認められた。経腸栄養法(EN)および非侵襲的換気(NIV)の実施率には行動障害の有無で差はなかったが、行動障害を有する症例では、生存期間に有意な短縮が認められた(生存期間中央値、3.3年対4.3年、P=0.02)。遂行機能単独障害を呈する症例での生存期間では、NIV後は短縮していたがEN後では短縮は認められなかった。ALS診断時の行動障害または遂行機能単独障害の存在は、予後不良と強い相関を示す予測因子であり、延命治療の効果低減と一部関連していた。
コメント
ALSの中で、少数であるが、FTLD(前頭側頭葉変性症)の範疇に入り、遂行機能障害を呈する場合がある。PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)による栄養や、TV(気管切開による人工呼吸器装着療法)などの補充療法がうまく運ばないことが多い印象があったが、そのことを客観的に示した論文である。医療従事者、家族、患者本人の共同作業で、PEG&TVを実施しながらの充実した人生を送っていただきたい。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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