多関節型若年性特発性関節炎における抗IL-6受容体モノクローナル抗体トシリズマブの安全性と有効性
Safety and efficacy of tocilizumab, an anti-IL-6-receptor monoclonal antibody, in patients with polyarticular-course juvenile idiopathic arthritis.
Imagawa T, Yokota S, Mori M, Miyamae T, Takei S, Imanaka H, Nerome Y, Iwata N, Murata T, Miyoshi M, Nishimoto N, Kishimoto T.
Department of Pediatrics, Yokohama City University School of Medicine, 3-9 Fukuura, Kanazawa-ku, Yokohama, Kanagawa 236-0004, Japan. timagawa@med.yokohama-cu.ac.jp
Mod Rheumatol. 2012 Feb;22(1):109-15. Epub 2011 Jun 12.
多関節型若年性特発性関節炎におけるトシリズマブの安全性と有効性について検討するため、メトトレキサート治療抵抗性患者19例を対象に12週間の多施設共同非盲検試験と延長試験(48週間)を行った。トシリズマブ(8 mg/kg)は4週間に1回投与した。米国リウマチ学会の小児基準(ACR Pedi)30、50、70、90反応率は、それぞれ投与開始12週目に94.7%、94.7%、57.9%、10.5%、48週目に100%、94.1%、88.2%、64.7%であった。DAS28疾患活動性スコアの平均は投与開始24週目以降、寛解レベル(2.6)を下回った。治療中止は2例(効果不十分1例とトシリズマブに対する中和抗体の産生1例)であった。有害事象は全般に軽度で、4件の重篤な有害事象(胃腸炎2件、肺炎1件、感覚障害1件)も自然に消失または治療により回復した。これらの結果より、治療抵抗性の多関節型若年性特発性関節炎患者に対してトシリズマブは速やかで持続的な有効性と高い忍容性を示し、新しい治療薬として期待される。
コメント
全身型若年性特発性関節炎(sJIA)に対しては、IL-6阻害の有効性が高く、TNF-α阻害は効果がないことが知られている。一方、多関節型については、TNF-α阻害の有効性は知られていたが、IL-6阻害については不明であった。この研究によってIL-6阻害で著効が認められることが明らかとなり、多関節型に対するトシリズマブによる治療選択肢が広がった。また、多関節型は成人型に近いことから、関節破壊の予防に対する有効性も期待される。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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