ASTRALスコア:急性虚血性脳卒中患者の機能的アウトカムを予測する整数スコア
An integer-based score to predict functional outcome in acute ischemic stroke: The ASTRAL score
JFrom the Acute Stroke Unit, Neurology Service (G.N., P.M.), and Institute of Social and Preventive Medicine (M.F.), Centre Hospitalier Universitaire Vaudois and University of Lausanne, Lausanne, Switzerland; Department of Medicine, Larissa Medical School (G.N.), University of Thessaly, Larissa, Greece; Department of Neurology (W.L., J.F.), St. John's of God Hospital, Vienna, Austria; and Acute Stroke Unit, Department of Clinical Therapeutics (K.V.), Alexandra Hospital, Athens, Greece. gntaios@med.uth.gr
Neurology 2012;78:1916–1922
救急治療室での入手可能な変数を用いて急性虚血性脳卒中(AIS)患者の機能的アウトカムを予測する簡便な整数スコアの開発を行った。
Acute Stroke Registry and Analysis of Lausanne(ASTRAL)のAIS患者コホート登録患者1,645例からロジスティック回帰分析にて同定し、多変量モデルから得た独立予後不良(3カ月後のmodified Rankin Scale score>2)予測因子は、年齢(A)、入院時の重症度(S)、入院までの時間(T)、視野(R)、急性期血糖値(A)、意識レベル(L)の6種類で、それぞれのβ係数を4倍して四捨五入した整数値をスコアとした。
ASTRALコホートから得たスコアの受信者動作特性曲線下面積は0.850、アテネコホート0.937、ウィーンコホート0.771で実測値とよく一致していた(ASTRAL:P=0.43、アテネ [n=1,659]:P=0.22、ウィーン [n=653]:P=0.49)。
ASTRALスコアが31の場合、50%の確率で予後不良となることを示す。今後、臨床診療や脳卒中の研究において有用なツールとなる可能性がある。
コメント
今回は難病ではなく脳血管障害についての報告である。急性期の治療法決定において、その時点である程度予後を推察できることは、現場の医師にとっては治療法の選択上、患者や家族にとっては今後の生活を考える上でも有益な情報である。超急性期の治療は時間との戦いであり、合併症の多い治療の選択を余儀なく迫られることが多い。本論文でのスコア良好例は危険性の高い治療法選択からの回避を支持する根拠になる可能性がある。本研究はヨーロッパが中心であること、若干地域差があること、超急性期の血栓溶解療法を多変量解析に入れていないことなど、今後のさらなる検証が必要であるが、興味深い報告であるため紹介した。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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