パーキンソン病のジスキネジアに対するfipamezoleの無作為化臨床試験(FJORD試験)
Randomized clinical trial of fipamezole for dyskinesia in Parkinson disease (FJORD study)
JLewitt PA, Hauser RA, Lu M, Nicholas AP, Weiner W, Coppard N, Leinonen M, Savola JM.
Departments of Neurology (P.A.L.) and Biostatistics (M.L.), Henry Ford Hospital, Detroit, MI; Department of Neurology (P.A.L.), Wayne State University School of Medicine, Detroit, MI; Department of Neurology (R.A.H.), University of South Florida, Tampa; Department of Neurology (A.P.N.), University of Alabama School of Medicine, Birmingham; Department of Neurology (W.W.), University of Maryland School of Medicine, Baltimore; Santhera Pharmaceuticals (Switzerland) Ltd. (N.C., J.-M.S.), Liestal, Switzerland; and 4Pharma Ltd. (M.L.), Turku, Finland.
Dr. LeWitt: plewitt1@hfhs.org.
Neurology. 2012 Jul 10;79(2):163-9. Epub 2012 Jun 27.
選択的α2-アドレナリン受容体遮断薬であるfipamezoleのレボドパ誘発ジスキネジア(LID)改善効果を検討した。
対象は米国25施設115例およびインド7施設64例のLIDを伴うレボドパ治療中のパーキンソン病(PD)患者で28日間の二重盲検無作為化プラセボ対照用量漸増試験で、評価は異常不随意運動評価尺度(AIMS)に基づいて作成されたレボドパ誘発ジスキネジアスケール(LIDS)を用いた。
プラセボ群、fipamezole 30 mg群、60 mg群、90 mg群の4群に割り付け、ジスキネジアはレボドパ投与後オンになった状態で評価した。
主要評価項目について、米国症例サブグループ解析では、fipamezole 90 mg群においてLIDの改善が認められ、用量反応性も示され、安全性も許容範囲内であった。fipamezole 90 mg 1日3回投与はパーキンソン症状を悪化させることなくPD患者のLID治療に有用であることが示唆された。エビデンス分類ではクラスIIIのエビデンスである。
コメント
パーキンソン病のレボドパ長期服用の運動合併症の1つにジスキネジアがあり、ピークドーズジスキネジア、二相性ジスキネジア、オフ時ジストニアの3つがある。ピークドーズジスキネジアは頸部・上肢に多いのに対し、二相性ジスキネジアは下肢に多い。ピークドーズジスキネジアは舞踏運動を呈するのに対し、二相性ジスキネジアはジストニア、バリスムス様でQOLを制限する。本論文は検討方法から、ピークドーズジスキネジアの検討であるが、エビデンスのある治療は乏しい。病態にはドーパミン濃度の急激な変動、基底核のグルタミン酸受容体過興奮(アマンタジン有効)、セロトニン受容体(5-HT2A/2C)異常(clozapine有効)、基底核の病的同調/非同調異常(DBS有効)、シナプスの伝達の不安定(SV2Aを介して、LEV有効)などがあり、ドパミンニューロン以外の系の障害も考えられている。本報告は以前から指摘されていた選択的α2-アドレナリン受容体遮断薬のfipamezoleの有効性を検証したものである。インド症例は有意差がない(被験者集団間の不均一性)など、検討する課題も多いが、興味深い報告であり紹介した。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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