関節リウマチ発症前の抗シトルリン化蛋白抗体レパートリーの変化
Development of the anti-citrullinated protein antibody repertoire prior to the onset of rheumatoid arthritis
van de Stadt LA, de Koning MH, van de Stadt RJ, Wolbink G, Dijkmans BA, Hamann D, van Schaardenburg D.
Jan van Breemen Research Institute/Reade, Sanquin Research, and Landsteiner Laboratorium, Academic Medical Center, University of Amsterdam, Amsterdam, The Netherlands. l.vandestadt@sanquin.nl
Arthritis Rheum. 2011 Nov;63(11):3226-33. doi: 10.1002/art.30537.
本研究では、関節リウマチ(RA)の発症前に起こる抗シトルリン化蛋白抗体(ACPA)のエピトープ拡大ならびに、免疫応答が始まる時期の自己抗原に対する反応性のパターンについて検討した。
RA発症前にACPA陽性であった53例の患者について、発症前に行った献血により、1〜2年の間隔で連続する複数(中央値6、四分位範囲4〜9)の血清検体を調べることができた。酵素免疫吸着測定法により5種類のシトルリン化ペプチド(フィブリノーゲン由来2種、ビメンチン由来1種、α‐エノラーゼ由来1種、フィラグリン由来1種)に対する反応性を調べた。
53例のうち25例において、ACPA陰性から陽性へのセロコンバージョンが認められた。この時25例のうち18例(72%)で1種類のペプチドに対する免疫応答が認められたが、これが特定のペプチドに偏る傾向はみられなかった。認識されるペプチドの数は継時的に増加したが、エピトープ拡大のパターンに特徴は認められなかった。ACPA抗体価は、RAの診断前に何年も低い状態が続いた後、診断の約2〜4年前に急激に増加するようであり、RA発症には様々な要因によっておこる第2ステージがあることが示唆される。
コメント
シトルリンに対する自己抗体はRA患者で特異的であることが知られており、RAの診断にはきわめて有用である。しかし、いつ頃抗体が出現するのか、抗体のレパートリーが増加するのか、不明であった。本研究により、RA発症数年前からシトルリンに対する抗体が見出されることが分かった。また、発症2〜4年前に急激に抗体価が上昇すると共に各種シトルリン化蛋白に対する抗体レパートリーが広がることが明らかとなった。 RA患者における自己抗体発現および増加の免疫反応機序の解析にきわめて有用な発見である。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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