変形性膝関節症を認めない成人におけるMRI検査による膝異常の有病率:地域住民に基づいた観察研究(Framingham変形性関節症研究)
Prevalence of abnormalities in knees detected by MRI in adults without knee osteoarthritis: population based observational study (Framingham Osteoarthritis Study)
Guermazi A, Niu J, Hayashi D, Roemer FW, Englund M, Neogi T, Aliabadi P, McLennan CE, Felson DT.
Department of Radiology, Boston University School of Medicine, FGH Building, 820 Harrison Avenue, Boston, MA 02118, USA.
BMJ. 2012 Aug 29;345:e5339. doi: 10.1136/bmj.e5339.
変形性関節症のX線所見を認めない膝について磁気共鳴画像診断検査(MRI)を行い変形性関節症の有病率を検討した。対象は米国マサチューセッツ州フラミンガム疫学研究の住民コホートに属し、変形性膝関節症のX線所見がない者、つまりKellgren Lawrence Grade 0で、50歳超の人とした。
総数は710人、女性393人(55%)、白人660人(93%)、膝痛無しの者206人(29%)で、平均年齢62.3歳、BMI平均値27.9であった。MRI所見として、骨棘、軟骨損傷、骨髄病変、軟骨下嚢胞、半月板病変、滑膜炎、摩耗、靱帯病変をみた。疼痛は3種類の質問票およびWOMACによって評価した。
有病率は89%であり、MRI所見は骨棘(74%)、軟骨損傷(69%)、骨髄病変(52%)であった。年齢が高い者ほどどの種類の有病率も高かった。BMI分類別には有意差は認めなかった。有病率は、疼痛のある膝(90%〜97%)、疼痛のない膝(86%〜88%)の両方において高かった。
コメント
地域ベースの集団を対象としてMRIを使うと疼痛の有無に関わらず、膝のX線画像では変形性関節症の特徴が認められない中高年齢以上のほとんどの者に膝に関節病変があることが示された。これはすべての住民にMRI検査のスクリーニングが必要であることを意味しない。年齢とともに関節病変が生じてきている現実を示すものである。MRI所見がどんな意義があるか、別の研究で検討が必要である。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: