リウマチ疾患患者の手の滑膜炎の診断:光イメージングとMRIとの比較
Detection of synovitis in the hands of patients with rheumatologic disorders: diagnostic performance of optical imaging in comparison with magnetic resonance imaging.
Meier R, Thürmel K, Moog P, Noël PB, Ahari C, Sievert M, Dorn F, Waldt S, Schaeffeler C, Golovko D, Haller B, Ganter C, Weckbach S, Woertler K, Rummeny EJ.
Technische Universität München, Munich, Germany.
Arthritis Rheum. 2012 Aug;64(8):2489-98. doi: 10.1002/art.34467.
炎症性関節障害が疑われる患者(45人、女性67%、平均年齢52.6±13.4歳)について、両手の手関節、中手指節関節、近位指節間関節、遠位指節間関節の滑膜炎の重症度を、インドシアニングリーン(ICG)を用いた光イメージングと造影剤MRI(3T)を用いて調べ、独立した3名の読影者がそれぞれに4段階(滑膜炎なし、軽度、中程度、重度)で判定した。
MRIによる診断結果を標準とした場合、光イメージングによる診断の感度は39.6%(95%信頼区間[CI]:31.1〜48.7%)、特異度は85.2%(95%CI:79.5〜89.5%)、精度は67.0%(95%CI:61.4〜72.1%)であった。診断精度は特に中程度の滑膜炎では劣るものの、重度の炎症がみられる関節では明らかに良好であった。異なる読影者間の診断結果の一致度、ならびに同じ読影者での診断結果の一致度はどちらも中程度であった。
この結果から、手の関節の炎症に関して、造影剤MRIによる診断と比較すると、ICGを用いた光イメージングによる診断には限界があることが明らかになった。
コメント
関節の滑膜炎の存在を知るには、従来、患者の関節部の圧痛または腫脹を手技者の手指で感じることで行っていた。これは手技者の技量によるため、客観性に乏しい。最近、MRIまたはエコー検査で滑膜炎を確認することによって客観性が増し、我が国でも多くの施設で行うようになった。今回さらに新しい手技として以前肝機能検査で用いられていたICGを使って滑膜炎を確認する方法が開発された。今回の結果により、重度の炎症を確認することはMRIより優れていたが、中等度炎症はMRIに比べて診断的に劣っていた。今後、本方法もさらなる改善が望まれ、一般利用が広がることを期待したい。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
PudMed: