リウマチ因子の濃度の上昇と長期間の関節リウマチの発症率:前向きコホート研究
Elevated rheumatoid factor and long term risk of rheumatoid arthritis: a prospective cohort study
Nielsen SF, Bojesen SE, Schnohr P, Nordestgaard BG.
Department of Clinical Biochemistry, 54M1, Herlev Hospital, Copenhagen University Hospital, Herlev Ringvej 75, DK-2730 Herlev, Denmark.
BMJ. 2012 Sep 6;345:e5244. doi: 10.1136/bmj.e5244.
リウマチ因子の濃度の上昇が、長期間の関節リウマチの発症と関連しているかどうかについて、コペンハーゲン市心臓研究(Copenhagen City Heart Study)を使って検討した。参加時に関節リウマチに罹患しておらず、年齢が20〜100歳の一般集団から選択された白人のデンマーク人9,712人を対象とし、1981〜1983年に採血を行い、2010年8月10日まで追跡調査を実施した。
187,659患者・年で183人が発症した。リウマチ因子濃度が2倍になると、関節リウマチ発症リスクが3.3倍に上昇した(95%CI:2.7〜4.0)、その他の自己免疫性リウマチ疾患についても同様の傾向がみられた。累積発症率は、リウマチ因子のカテゴリーが上がるにつれて上昇した(Ptrend<0.0001)。
多変量で補正したハザード比は、リウマチ因子の濃度が25 IU/mL未満のカテゴリーに比べ、25〜50 IU/mLで3.6(95%CI:1.7〜7.3)、50.1〜100 IU/mLで6.0(95%CI:3.4〜10)、および100 IU/mL超で26(95%CI:15〜46)であった(P<0.0001)。関節リウマチの最高10年絶対リスクは32%であり、リウマチ因子の濃度が100 IU/mL超で喫煙歴のある50〜69歳の女性で観察された。
本研究の結果は、リウマチ因子検査に基づき専門医および専門医療機関へと早期に紹介するガイドラインの改定に影響するものである。
コメント
リウマチ因子と関節リウマチとの関係については知られていることである。本研究の意義は、リウマチ因子の値と、発症リスクとの関係を明らかにした点にある。リウマチ因子の値が上がると、発症リスクが上がったことから、値が高い人では早期発見のために専門的なフォローアップが必要であることが示された。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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