サーファーズミエロパチー:非外傷性ミエロパチーを有する初心者サーファー19名に関する症例集積
Surfers’ myelopathy:A case series of 19 novice surfers with nontraumatic myelopathy
Chang CW, Donovan DJ, Liem LK, O’Phelan KH, Green DM, Bassin S, Asai S.
The Queen's Medical Center (C.W.J.C., D.J.D., L.K.L., S.A.), Honolulu; Departments of Surgery (C.W.J.C., D.J.D., L.K.L.) and Medicine (C.W.J.C.), John A. Burns School of Medicine, University of Hawaii, Honolulu; Department of Neurology (K.H.O.), Miller School of Medicine, University of Miami, Miami, FL; Department of Neurology (D.M.G.), Boston University School of Medicine, Boston Medical Center, Boston, MA; and PeaceHealth Medical Group Neurology (S.B.), Vancouver, WA.
Neurology. 2012 Nov 27;79(22):2171-6.
初心者サーファーの非外傷性脊髄損傷(サーファーのミエロパチー)の臨床特性を報告する。2002年6月〜2011年11月に、ハワイで最大の三次紹介病院への入院時に確認された患者の電子カルテによる後向き検討。米国脊髄損傷学会機能障害尺度(AIS)による分類は、入院時および追跡調査時に行った。
15〜46歳の患者19例(男性14例)において、全患者が、サーフィン中における腰痛の突然発症を訴え、その後10〜60分間にわたって両側の脚のしびれおよび麻痺の進行が続いた。全患者が初心者サーファーであり、19例中17例は初めてのサーフィンであった。
MRIのT2強調画像において、全患者で下部胸髄から脊髄円錐に高信号域が認められ、拡散強調画像では、患者10例中6例で、本領域に限定拡散が認められた。
急激な発症および限定拡散の存在から虚血性傷害が示唆され、入院時の重症度(悪いAISスコア)が神経学的アウトカムの最も有力な予測因子であると考えられた。
コメント
今回は難病に関する論文ではなく、サーファーズミエロパチーという耳慣れない疾患です。サーファーの皆さんには注意を喚起する報告ですし、症状や発症過程から脊髄の虚血が機序として考えられるようですので、神経内科医にとっては脊髄梗塞の鑑別疾患として頭の片隅に置くべきことを惹起する報告であると思い、取り上げました。初心者で、しかも波を待つ間の脊椎の過伸展位が引き金のようであり、今後は脊髄梗塞鑑別時には脊椎の過分なストレッチや指圧などについても注意を払う必要があるかも知れません。脊髄梗塞は手術や外傷などが原因の大半ですが、原因不明例には案外このようなものが入っているのでしょう。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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