MRI検査は神経変性疾患におけるCSFバイオマーカーをスクリーニングできるか?
Can MRI screen for CSF biomarkers in neurodegenerative disease?
McMillan CT, Avants B, Irwin DJ, Toledo JB, Wolk DA, Van Deerlin VM, Shaw LM, Trojanoswki JQ, Grossman M.
From the Department of Neurology (C.T.M., D.J.I., D.A.W., M.G.), Center for Neurodegenerative Disease Research (D.J.I., J.B.T., V.M.V.D., L.M.S., J.Q.T.), Department of Radiology (B.A.), Penn Memory Center (D.A.W.), and Department of Pathology & Laboratory Medicine (V.M.V.D., L.M.S., J.Q.T.), University of Pennsylvania, Philadelphia.
Neurology. 2013 Jan 8;80(2):132-8
アルツハイマー病(AD)と前頭側頭葉変性症(FTLD)の鑑別診断に対する非侵襲的スクリーニング法としてMRI検査の有用性を評価した。対象はADまたはFTLDと臨床診断され、腰椎穿刺および容積測定MRI検査を受けた患者185例(AD88例、FTLD97例)。うち32例のサブセットは、遺伝学的、剖検で確認されたADまたはFTLD。
特異値分解を用いMRI検査による容積を分析し、線形回帰および交差検定を用いCSF中の総タウ(tt)およびβ-アミロイド(Aβ1-42)比率(tt/Aβ)を予測した。続いて、32例のサブセットにおけるMRI検査に基づき、予測されたtt/Aβの精度を評価した。
回帰分析によって、MRI検査で予測されたtt/Aβが実際のCSF中のtt/Aβにきわめて関係していることが認められ、FTLDに一致した低いtt/Aβは腹側正中前頭前野に関連し、ADに一致した高いtt/Aβは後部皮質領域に関連している。MRI検査で予測されたtt/Aβの精度は、75%であり、MRI検査は、CSFバイオマーカーの代用としてADとFTLDの病変をスクリーニングする非侵襲的方法として役立つ可能性がある。
コメント
神経変性疾患は障害されている蛋白により分類され、治療法も分子標的治療や疾患修飾治療が主流となる時代が到来しつつある。それに伴い、より早期の診断が重要となってきた。臨床的には明らかな相違を示すADとFTLDであるが、それでも重複する症状を呈し初期の鑑別診断は困難なことが多い。早期診断の一つの方法である髄液のtt/Aβを測定するという侵襲的検査と比較して、より簡便なMRIでも同様にスクリーニングが可能という本論文の結果は患者には朗報であり、取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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