関節リウマチ患者におけるトシリズマブの効果に対する臨床的評価および超音波評価:症例集積
Clinical and ultrasound evaluation of the response to tocilizumab treatment in patients with rheumatoid arthritis: a case series
Epis O, Filippucci E, Delle Sedie A, De Matthaeis A, Bruschi E.
Rheumatology Unit, Niguarda Ca' Granda Hospital, Piazza Ospedale Maggiore 3, 20162, Milan, Italy, oscar.epis@ospedaleniguarda.it
Rheumatol Int. 2013 Jan 26. [Epub ahead of print]
6ヵ月以上にわたりDAS28(28関節による疾患活動性スコア)3.2以上の活動性関節リウマチで、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)または抗TNF(腫瘍壊死因子)薬に抵抗性の患者6例に、トシリズマブ(8mg/kg)を単独療法またはDMARDとの併用で4週間に1回6ヵ月間投与した。すべての患者について、各種臨床パラメータ圧痛関節数[28関節および44関節]、腫脹関節数[28関節および44関節]、DAS28-ESR、DAS28-CRP、VASスコア、全般的健康状態[GH]、健康度評価質問票[HAQ]、患者全般活動性評価[PGA]、医師による全般活動性評価[MDGA]、慢性疾患療法の機能評価[FACIT]、赤血球沈降速度[ESR]、C反応性蛋白質[CRP])の評価およびグレースケール超音波検査(パワードップラー法)による評価を行った。
すべての臨床パラメータが投与前に比べて改善し、そのほとんどが投与開始2ヵ月目から観察期間終了時まで統計学的に有意な改善がみられた。なかでも圧痛関節数(44関節評価)、FACITスコア、ESR、CRP濃度は、投与開始1ヵ月で大きく改善された(P<0.01)。超音波評価の経過は臨床パラメータの経過を反映し、トシリズマブの効果は手関節に比べて足関節に早期かつより顕著にみられた。
この症例集積から、トシリズマブ投与により早期に臨床効果が現れること、ならびにその効果は手関節に比べ足関節に早く現れることが示された。
コメント
従来関節リウマチの関節所見の評価は、医師等による圧痛関節点数、腫脹関節点数に基づいて評価していた。しかしこれらの評価法では術者によって異なり、主観的で客観性が乏しく安定性にも欠けていた。最近本論文のように、超音波あるいはMRI検査を利用して、客観的に関節所見を評価する傾向がみられるようになった。トシリズマブ(アクテムラ、抗IL-6R抗体)治療を行い、ドップラー法(超音波法)にて半年後の関節評価を行ったところ、従来評価法の経過を反映した改善が本評価法で確認された。このことは早期からも評価が可能であり、今後汎用されるものと思われる。さらに、今後は超音波、MRIが評価法の中心になる可能性が示唆される。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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