出生前に抗てんかん薬に曝露された小児における神経発達障害の有病率
The prevalence of neurodevelopmental disorders in children prenatally exposed to antiepileptic drugs
Bromley RL, Mawer GE, Briggs M, Cheyne C, Clayton-Smith J, García-Fiñana M, Kneen R, Lucas SB, Shallcross R, Baker GA; On Behalf of the Liverpool and Manchester Neurodevelopment Group.
Department of Molecular and Clinical Pharmacology, University of Liverpool, , Liverpool, UK.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2013 Jan 31. [Epub ahead of print]
子宮内で様々な抗てんかん薬に曝露された小児を対象として神経発達障害の有病率を比較した。てんかんを有する女性およびてんかんのない対照群の女性を産科クリニックから募集した。生まれた小児を6歳まで追跡調査を行った(n=415)。
ロジスティック回帰分析から、バルプロ酸(VPA)ナトリウムの単剤療法に曝露された小児(50例中6例、オッズ比6.05、P=0.007)およびVPAナトリウムによる多剤療法に曝露された小児(20例中3例、オッズ比9.97、P=0.005)では、対照群の小児(214例中4例)に比べ、神経発達障害のリスクが上昇していた。自閉症スペクトル障害がもっとも多くみられた診断名であった。カルバマゼピン(50例中1例)またはラモトリギン(30例中2例)に曝露された小児ではリスクの有意な上昇は認められなかった。
神経発達機能の異常が深刻な結果を示すのかどうかさらなる研究が必要である。てんかんの治療にVPAナトリウムを選択する女性に、子どもの神経発達障害の可能性が高まること伝えるべきである。
コメント
発達障害児に対しては発達障害者支援法も制定されるなど大きな課題となっている。本研究は、その一因として精神神経薬剤が関与しているのではないかとの点を検討したものである。バルプロ酸(VPA)ナトリウム系薬剤を使用した妊婦からの出生児にリスクが高いことが示された。今後、この関係を裏付ける作用機序の解明、今回の研究結果の再確認が必要である。疑いがある間、てんかんの治療にVPAナトリウムを選択する妊婦には子どもの神経発達障害の可能性があることを考慮することも必要と考えられる。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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