アダリムマブによる治療抵抗性ぶどう膜炎の治療:多施設間、非盲検、前向き臨床試験の結果
Adalimumab therapy for refractory uveitis: results of a multicentre, open-label, prospective trial.
Suhler EB, Lowder CY, Goldstein DA, Giles T, Lauer AK, Kurz PA, Pasadhika S, Lee ST, de Saint Sardos A, Butler NJ, Tessler HH, Smith JR, Rosenbaum JT.
Department of Ophthalmology, Oregon Health & Science University, Casey Eye Institute, 3375 SW Terwilliger Blvd, Portland, OR 97239-4197, USA; suhlere@ohsu.edu.
Br J Ophthalmol. 2013 Apr;97(4):481-6. doi: 10.1136/bjophthalmol-2012-302292. Epub 2013 Feb 2.
完全ヒト型抗TNF(腫瘍壊死因子)モノクローナル抗体、アダリムマブの治療抵抗性ぶどう膜炎に対する有効性と安全性を多施設間非盲検前向き第II相臨床試験により評価した。
コルチコステロイドによる治療に抵抗性で他の免疫抑制薬を1種類以上投与されている非感染性のぶどう膜炎患者を被験者とし、視力、眼内炎症反応、免疫抑制薬の減量効果、後眼部画像を複合評価項目とした。臨床効果は、これらのうち1項目以上に改善がみられ、いずれの項目にも増悪がなく、眼内炎症反応が良好にコントロールされていることと定義した。投与開始10週目に効果のみられた被験者には、50週目までアダリムマブ投与の継続を許可した。
31例中21例(68%)に投与開始10週目の治療効果が認められ、うち12例(39%)では50週目まで効果が持続した。最も多かった投与中止の理由は効果不十分であり、明らかにアダリムマブ投与と関連する治療制限毒性(treatment-limiting toxicity)がみられた被験者はいなかった。
さらなる検討が必要であるが、アダリムマブは治療抵抗性ぶどう膜炎に対し安全かつ有効な治療薬の可能性がある。
コメント
2004年に大野ら我々が、ベーチェット病におけるぶどう膜炎の発症にTNF-α阻害薬であるレミケードが有効であり、炎症アタックの発現抑制、視力の低下抑制を発表して以来、ぶどう膜炎に対するTNF-α阻害薬が世界的にも使用されるようになった。本論文はベーチェット病以外のぶどう膜炎に対して完全ヒト抗体であるTNF-α阻害薬のアダリムマブを用いたところ、その有効性が認められた。このことから、一般にTNF-α阻害薬は基本疾患に関わらず、ぶどう膜炎に有効であることが示唆された。またぶどう膜炎発症におけるTNF-αの関与が強く存在することが示唆された。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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