コペプチンは虚血性脳梗塞後の予後情報を追加する
CoRisk研究の結果から
Copeptin adds prognostic information after ischemic stroke: Results from the CoRisk study
De Marchis GM, Katan M, Weck A, Fluri F, Foerch C, Findling O, Schuetz P, Buhl D, El-Koussy M, Gensicke H, Seiler M, Morgenthaler N, Mattle HP, Mueller B, Christ-Crain M, Arnold M.
From the Departments of Neurology, Neuroradiology, and Clinical Chemistry (G.M.D.M., A.W., O.F., D.B., M.E.-K., H.P.M., M.A.), Inselspital, University of Bern, Switzerland; Department of Neurology (G.M.D.M., M.K.), College of Physicians and Surgeons, Columbia University, New York, NY; Department of Neurology (M.K., F.F.), University Hospital of Zurich, Switzerland; Departments of Neurology and Endocrinology (M.K., F.F., H.G., M.C.-C.), University Hospital of Basel, Switzerland; Department of Neurology (C.F.), Goethe University, Frankfurt am Main, Germany; Medical University Clinic (P.S., B.M.), Cantonal Hospital Aarau, Switzerland; Thermo Fisher Scientific (M.S.), Hennigsdorf-Berlin, Germany; and Department of Experimental Endocrinology (N.M.), Charité, University Hospital Berlin, Germany.
Neurology 2013 Apr 2;80(14):1278-1286. Epub 2013 Mar 6.
前向き多施設共同コホート試験で、783例の急性虚血性脳梗塞患者について、症状発生後24時間以内に救命救急室でコペプチン(CP)を測定した。CP値上昇度の、転帰と合併症予測への有用性を、確立された臨床評価指標と比較し、評価・検証した。
主要エンドポイントは、不良な機能的障害(修正Rankinスケールスコア3〜6)、90日以内の死亡の2項目。
多変量解析において、CP高値(コペプチンが10倍以上増加した場合)は単独で、(1)転帰不良に対する補正オッズ比2.17(95%信頼区間[CI]1.46〜3.22、P<0.001)、(2)死亡に対する補正ハザード比2.40(95%CI 1.60〜3.60、P<0.001)、(3)合併症に対する補正オッズ比1.93(95%CI 1.33〜2.80、P=0.001)を予測した。ROC曲線下面積から算出した識別精度は、NIH脳梗塞スケールスコアにCPを追加した場合および多変量解析モデルにおいて、全てのエンドポイントについて有意に予測した。CPは機能的障害と3ヵ月時点における死亡を予測する上で、検証された血液マーカーである。
コメント
虚血性脳梗塞超急性期に、機能予後不良を予測する因子を見つけ、その有効性を検証した論文である。予測因子のコペプチンは視床下部ホルモン(C-terminal fragment of provasopressin)で、心不全患者の死亡予測にも利用されつつある。すべての急性期疾患に共通したことであるが、その超急性期に予後を判断できることは、その意味づけは様々であろうが、患者自身、家族、医療担当者にとってはその後の対策を練るうえでは重要なことである。また、より有効な治療法の開発にとっても重要な動機づけになり得ると考えられ、今後臨床上利用価値の多い検査と考えられる。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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