通常治療下の関節リウマチ患者における抗インフリキシマブ抗体の発現頻度と薬物有害反応および治療失敗との関連性
The frequency of anti-infliximab antibodies in patients with rheumatoid arthritis treated in routine care and the associations with adverse drug reactions and treatment failure.
Krintel SB, Grunert VP, Hetland ML, Johansen JS, Rothfuss M, Palermo G, Essioux L, Klause U.
Department of Medicine, Copenhagen University Hospital at Herlev, Copenhagen, Denmark, DANBIO registry and Department of Rheumatology, Copenhagen University Hospitals at Hvidovre and Glostrup, Copenhagen, Denmark, Roche Diagnostics GmbH, Penzberg, Germany, Department of Oncology, Copenhagen University Hospital at Herlev, Copenhagen, Denmark and Hoffmann-La Roche AG, Basel, Switzerland.
Rheumatology (Oxford). 2013 Mar 4. [Epub ahead of print]
DANBIOレジストリーを基に、2000〜2008年にデンマークのHvidovre病院においてインフリキシマブによる治療を開始し、血清検体が利用可能な関節リウマチ(RA)患者を52週間にわたり追跡調査した。抗インフリキシマブ抗体はIMPACT indirect assay(Roche Diagnostics社製)を用いて測定した。
対象となった計218名のRA患者の内訳は、女性80%、年齢56歳(中央値)、罹病歴10年、リウマトイド因子陽性が65%、DAS28スコアが5.0(中央値)であった。52週間の追跡調査期間中、28名(13%)が有害事象、50名(23%)が治療失敗により脱落し、118名(54%)の患者で抗体が検出された。
治療開始6週間後に抗体が検出された患者は、抗体が検出されなかった患者に比べ、薬物有害反応を発現するリスクが上昇していた(ハザード比[HR]5.06、95%信頼区間[CI]2.36〜10.84、P<0.0001)。14週間後に抗体が検出された患者についても同様の結果がみられた(HR:3.30、95%CI:1.56〜6.99、P=0.0009)。
52週間の追跡調査期間中に抗体が出現した患者は、最小限の疾患活動性と寛解が持続する確率が低かった。
コメント
抗体生物製剤はキメラ型、ヒト型化、ヒト化抗体が用いられ、前者ほど抗体製剤に対する抗体は出来やすい。 インフリキシマブはキメラ型であるので、抗インフリキシマブ抗体は出来やすく、単独使用では40%といわれている。そこでメトトレキサート(MTX)を併用することで抗体出現を抑制し、数%出現にまで低下させている。インフリキシマブに対する抗体が出現すれば、インフリキシマブの作用を減少させるばかりでなく、アナフィラキシー等の反応も出現させやすい。 今回52週後の調査において、抗体出現者が非出現者に比し、有意に有効性が低下し薬物有害反応の出現リスクが上昇することが示された。14週後より52週後の方がリスクが高いということは、今後治療継続により次第に抗体出現率が上昇すると考えられ、インフリキシマブの治療効果の低下、リスクの上昇が経過とともに進行することが予想される。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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